せん妄について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第57回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
せん妄は、急性に発症し、症状は短期間で進行します。これは、急性の脳機能不全として定義されるせん妄の最も重要な特徴の一つです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。せん妄は、その名の通り「急性の脳機能不全」であり、症状が短期間で急激に発現するのが特徴です。
- 2. せん妄の症状は日内変動を伴います。特に夜間には症状が悪化しやすい傾向があります。正しくは:せん妄の症状は、通常、日内変動を伴います。選びやすい理由:症状が一定しているように見える時期もあるかもしれませんが、全体としては変動があるのが特徴です。混同注意:認知症の症状の進行が比較的緩やかで一定しているケースと混同する可能性があります。
- 3. せん妄は高齢者、特に脳器質性疾患や身体的疾患を持つ高齢者に多く見られます。若年者にも発症しないわけではありませんが、一般的な傾向ではありません。正しくは:せん妄は、主に高齢者が発症しやすい状態です。選びやすい理由:脳の機能異常が原因であるため、年齢に関係なく起こりうると考えるかもしれませんが、特に脆弱なのは高齢者です。混同注意:精神疾患や他の急性脳疾患と混同する可能性があります。
- 4. せん妄では意識レベルの変動が見られますが、必ずしも常に「重度」の意識混濁が持続するわけではありません。軽度の意識混濁から、意識が清明に近く見える時期まで幅があります。注意集中力の低下が主な特徴です。正しくは:せん妄では、意識レベルの変動や注意集中力の低下が見られます。選びやすい理由:「意識障害」という言葉から重度を連想しやすいですが、せん妄では意識の清明度が変動するのが特徴です。混同注意:昏睡や失神などの他の重篤な意識障害と混同する可能性があります。
- 5. せん妄は環境の変化(入院、見慣れない場所、拘束など)や刺激の過多・不足といった環境因子によって容易に悪化したり、誘発されたりします。そのため、環境調整は治療や予防において非常に重要です。正しくは:せん妄は、周囲の環境因子の影響を強く受けます。選びやすい理由:身体的な要因が主因であると考えるかもしれませんが、環境要因も重要な影響を与えます。混同注意:内因性の精神疾患や器質性精神疾患で、環境因子が直接的な原因ではないものと混同する可能性があります。
国試ポイント
せん妄の基本的な定義と特徴(急性発症、日内変動、原因、意識障害の質、環境要因の影響)を正しく理解しているかが問われる問題です。各選択肢の誤りを明確に認識できるかどうかがポイントになります。
混同注意
認知症、うつ病、精神病性障害といった他の精神疾患や脳器質性疾患との鑑別が重要です。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、せん妄と認知症の鑑別点、特に可逆性や発症形式、日内変動の有無が問われる可能性が高いです。また、せん妄のタイプ(過活動型、低活動型、混合型)や、具体的なケア方法についても問われるかもしれません。
関連知識
せん妄の症状(意識レベルの変動、注意障害、思考障害、知覚障害、睡眠覚醒リズムの障害、精神運動興奮・抑制)、原因(身体疾患、薬剤、手術、脱水など)、危険因子(高齢、認知症、感覚器障害、脳損傷など)、治療とケア(原因疾患の治療、環境調整、薬剤調整など)