眼球運動に関わる脳神経として正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・3番
解説
眼球運動に関わる主要な脳神経は、動眼神経(第III脳神経)、滑車神経(第IV脳神経)、外転神経(第VI脳神経)の3対です。本問では滑車神経と外転神経が選択肢として挙げられており、これらが正解となります。動眼神経は上直筋、下直筋、内側直筋、下斜筋、上眼瞼挙筋などを支配し、滑車神経は上斜筋を、外転神経は外側直筋をそれぞれ支配して眼球の様々な動きを実現しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 視神経は網膜からの視覚情報を脳に伝える役割を担いますが、眼球そのものを動かす筋肉の制御には直接関与しません。正しくは:眼球運動を司る動眼神経、滑車神経、または外転神経のいずれかに変更するべきです。選びやすい理由:「眼」という器官に関連する神経であるため、広義に「眼の機能」として選びやすいかもしれませんが、問われているのは「眼球運動」です。混同注意:視覚機能に関わる神経と、眼球を動かす筋肉を支配する神経とを混同しやすいです。
- 2. 正解。外転神経(第VI脳神経)は外側直筋を支配し、眼球を外側(耳側)へ動かす(外転)働きを持っています。これは眼球運動に直接関わる重要な神経です。
- 3. 正解。滑車神経(第IV脳神経)は上斜筋を支配し、眼球を下方向かつ内側に回旋させる(内旋と下方偏位)動きに関与します。これも眼球運動に直接関わる重要な神経です。
- 4. 顔面神経(第VII脳神経)は主に顔の表情筋を支配し、涙腺や唾液腺の分泌、味覚に関わります。眼瞼の開閉(まばたき)には関与しますが、眼球自体の動きを直接制御する神経ではありません。正しくは:「顔の表情筋を動かす顔面神経」を「眼球運動を司る動眼神経」などに変更するべきです。選びやすい理由:眼瞼の動き(まばたき)に関与するため、眼の動き全般と誤解し、眼球運動に関わると考えてしまいがちです。混同注意:眼球の動き(眼球運動)と、まぶたの動き(眼瞼運動)を混同しやすいです。
- 5. 三叉神経(第V脳神経)は顔面や口腔の感覚、咀嚼筋の運動などを担当しますが、眼球を直接動かす外眼筋の支配には関与しません。正しくは:「顔面感覚や咀嚼に関わる三叉神経」を「眼球運動を司る動眼神経」などに変更するべきです。選びやすい理由:頭部に存在する主要な脳神経の一つであり、具体的な機能を区別せず、他の神経と混同して選択肢に入れてしまう可能性があります。混同注意:頭部の他の神経の機能、特に感覚や顔面領域の運動機能と混同しやすいです。
国試ポイント
脳神経の名称と主要な機能を正確に把握しているかが問われています。特に眼球運動に関する脳神経(第III、IV、VI脳神経)は頻出テーマであり、それぞれの支配筋と動きを理解しておくことが重要です。
混同注意
視神経(視覚)、顔面神経(顔面表情筋、眼瞼閉鎖)、三叉神経(顔面感覚、咀嚼筋)など、他の脳神経の機能と眼球運動を混同しやすい点に注意が必要です。特に顔面神経による眼瞼閉鎖運動は眼の動きと誤解されがちですが、眼球自体の動きとは異なります。
次に同じ論点が出たら
次回同様の論点が出題された場合、それぞれの脳神経(第III、IV、VI脳神経)が支配する具体的な外眼筋の名称と、その筋肉が眼球に与える動きを詳細に確認することが求められるでしょう。また、それぞれの神経麻痺による眼位や複視の特徴についても理解を深めておく必要があります。
関連知識
動眼神経(第III脳神経)は上直筋、下直筋、内側直筋、下斜筋、上眼瞼挙筋、瞳孔括約筋(副交感神経)を支配し、眼球の内転、上転、下転、内旋、下眼瞼挙上、縮瞳に関与します。滑車神経(第IV脳神経)は上斜筋を支配し、眼球の下方および内側回旋(内旋)に関与します。外転神経(第VI脳神経)は外側直筋を支配し、眼球の外転に関与します。これらの神経の麻痺はそれぞれ特徴的な眼球運動障害を引き起こします。