脊髄で正しいのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第58回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・4番
解説
この問題は、脊髄の基本的な解剖学的特徴、特に神経根と神経節の関係、および自律神経の起始に関する正確な知識を問うものです。選択肢3は、後根に感覚神経の細胞体が集まる脊髄神経節が存在するという事実を述べており、正しいです。選択肢4は、交感神経系の流出が胸髄から腰髄にわたる「胸腰部系」であるという、自律神経系の基本的な解剖学的区分を正確に示しており、正しいです。
選択肢ごとの解説
- 1. 脊髄の膨大部(膨隆)は、上肢支配神経叢に対応する頸膨大(C4-T1レベル)と、下肢支配神経叢に対応する腰仙膨大(L1-S2レベル)の2箇所です。正しくは:脊髄の膨隆は2箇所に存在する。選びやすい理由:脊髄の区分(頸髄、胸髄、腰髄、仙髄)の数や、脳の一次脳胞(前脳、中脳、菱脳)の数など、他の解剖学的構造の「3」という数字と混同しやすい可能性があります。混同注意:脊髄の膨大部の数と、脊髄のセグメント区分(頸髄、胸髄、腰髄など)や、他の神経系の構造の数。
- 2. 脊髄の中心部にあるH字型の部分は灰白質と呼ばれ、神経細胞体や無髄神経線維から構成されます。前角はこの灰白質の前方部分であり、運動ニューロンの細胞体が主に位置します。白質は有髄神経線維の束で構成されています。正しくは:前角は灰白質組織で構成されている。選びやすい理由:脊髄に灰白質と白質の両方があることは知っていても、前角が具体的にどちらに属し、どのような組織で構成されているか、正確に覚えていない場合に選びやすいです。混同注意:脊髄の灰白質と白質の区別、または前角(灰白質)と前索(白質)といった、類似した名称の構造。
- 3. 正解。脊髄神経節(後根神経節、Dorsal Root Ganglion)は、脊髄の後根の途中に位置し、感覚ニューロン(求心性神経)の細胞体が存在する部位です。後根は、この神経節を経由して感覚情報が脊髄へ伝わる経路となります。
- 4. 正解。自律神経系の一つである交感神経系の中枢は、脊髄の胸髄全域と上位腰髄(概ね第1〜第3腰椎レベル)の側角に存在します。ここから出る神経線維が交感神経節前線維となるため、交感神経系の流出は「胸腰部」と呼ばれます。
- 5. 成人の脊髄円錐(脊髄の終末部)は、通常、第1腰椎の下縁から第2腰椎の上縁の高さに位置します。乳児期にはもう少し低い位置(第3腰椎レベル)まで達しますが、成人で第3〜第4腰椎レベルは誤りです。正しくは:脊髄円錐は第1腰椎から第2腰椎の高さに位置する。選びやすい理由:脊髄の終末が腰椎レベルにあるという大まかな知識は正しいですが、正確な椎体レベルを混同している場合に選びやすいです。乳児期の位置や、硬膜嚢の終末(仙骨2番)と混同する可能性があります。混同注意:成人の脊髄円錐の終末位置(L1-L2)、乳児の脊髄円錐の終末位置(L3程度)、硬膜嚢の終末位置(S2)。
国試ポイント
脊髄の基本的な解剖学的構造(膨大部の数、灰白質・白質の構成、神経根と神経節の関係、自律神経の起始部、脊髄の終末位置)について、正確な名称、数、および位置関係が問われます。特に数字や解剖学的レベルの正確性が重要です。
混同注意
脊髄の各部位の名称(前角、後角、側角、前根、後根、神経節、円錐)と、それらの構成要素(灰白質、白質、神経細胞体、神経線維)や機能(運動、感覚、自律神経)が混同されやすいです。また、成人・乳児といった発達段階による脊髄終末位置の違いや、脊髄と硬膜嚢の終末位置なども頻繁に混同されるポイントです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が問われた場合、脊髄の各部位がどの脊椎レベルに位置するか(特に膨大部や円錐の終末)、また、各神経根や神経節がどのような神経線維を含み、どのような機能を持つか(例:前根は運動性、後根は感覚性)を問われる可能性が高いです。自律神経系については、副交感神経の起始部(脳幹および仙髄)と比較して問われることも考えられます。
関連知識
脊髄神経の構成(前根、後根、脊髄神経節、脊髄神経本幹)、灰白質と白質の詳細な構造と機能、各部位に存在する神経細胞の種類と機能(運動ニューロン、感覚ニューロン、介在ニューロン、自律神経節前ニューロン)、自律神経系の全体像(交感神経と副交感神経の比較、起始部、神経節の位置)。