血糖を上昇させる作用のあるホルモンはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・4番
解説
血糖値を上昇させる主要なホルモンには、膵臓から分泌されるグルカゴンと、副腎髄質から分泌されるアドレナリンがあります。グルカゴンは肝臓でのグリコーゲン分解と糖新生を促進し、アドレナリンも同様にグリコーゲン分解を促進して血糖値を上げます。これらは体内のエネルギー供給を確保するために重要な役割を担っています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。アドレナリンは、副腎髄質から分泌されるホルモンで、交感神経の働きを介して肝臓でのグリコーゲン分解や糖新生を促進し、血糖値を上昇させます。これは、緊急時やストレス時に素早くエネルギー源を供給するための生体反応です。
- 2. アルドステロンは副腎皮質から分泌される鉱質コルチコイドであり、主に腎臓においてナトリウムの再吸収とカリウムの排泄を促進することで、体液量と血圧の調整に関与します。血糖値への直接的な上昇作用はほとんどありません。正しくは:腎臓でのナトリウムと水の再吸収を促進し、血圧と体液量を調節する。選びやすい理由:同じ副腎皮質ホルモンである糖質コルチコイド(コルチゾールなど)が血糖値を上昇させる作用を持つため、混同して選びやすいかもしれません。混同注意:糖質コルチコイド(コルチゾール)
- 3. カルシトニンは甲状腺から分泌されるホルモンで、血中のカルシウム濃度を低下させる作用があります。骨へのカルシウム沈着を促進し、骨からのカルシウム溶出を抑制することで、骨形成を助けます。血糖値とは直接的な関連性はありません。正しくは:血中のカルシウム濃度を低下させる。選びやすい理由:ホルモンの名前が似ているため、他のホルモンと作用を混同する可能性があります。混同注意:パラトルモン(PTH)、ビタミンD
- 4. 正解。グルカゴンは膵臓のランゲルハンス島A細胞から分泌されるホルモンで、肝臓においてグリコーゲン分解と糖新生を強力に促進することにより、血糖値を上昇させます。インスリンと拮抗する作用を持ち、血糖値の恒常性維持に不可欠です。
- 5. パラトルモン(上皮小体ホルモン、PTH)は副甲状腺から分泌されるホルモンで、血中のカルシウム濃度を上昇させる作用があります。骨からのカルシウム放出を促進したり、腎臓でのカルシウム再吸収を促したり、活性型ビタミンDの生成を刺激します。血糖値とは直接的な関連性はありません。正しくは:血中のカルシウム濃度を上昇させる。選びやすい理由:ホルモンの名前が似ているため、他のホルモンと作用を混同する可能性があります。混同注意:カルシトニン、ビタミンD
国試ポイント
血糖調節に関わる主要なホルモンの種類とその具体的な作用(血糖上昇作用か下降作用か、または無関係か)を正確に理解しているかを問う問題です。特に、拮抗作用を持つホルモンや、他の代謝に関わるホルモンとの区別が重要となります。
混同注意
インスリン(血糖下降作用)、コルチゾール(糖質コルチコイド、血糖上昇作用)、成長ホルモン(血糖上昇作用)、甲状腺ホルモン(血糖上昇作用)、またカルシウム代謝に関わるカルシトニンやパラトルモンの作用も混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出題される場合、血糖値を下降させるホルモンはどれか、または各ホルモンが血糖値に与える影響の度合いや作用機序(例:インスリンによるブドウ糖の細胞内取り込み促進など)について問われる可能性があります。
関連知識
血糖値の恒常性維持メカニズム(フィードバック機構)、内分泌系の主要な腺とそこから分泌されるホルモンの働き、各ホルモンのターゲット臓器と具体的な生理作用。