排尿に関与する神経はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・2番
解説
排尿機能は、自律神経系(交感神経と副交感神経)と体性神経系が連携して制御しています。下腹神経は交感神経として尿の貯留に関与し、陰部神経は体性神経として随意的な排尿の開始・停止に関与します。したがって、これらの2つの神経は排尿に深く関与する神経として正しい選択肢です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。陰部神経は体性神経であり、随意的に収縮・弛緩させることができる外尿道括約筋を支配しています。これにより、排尿の開始や停止を意識的に制御する役割を担っています。
- 2. 正解。下腹神経は交感神経系の一部であり、膀胱の排尿筋を弛緩させるとともに、内尿道括約筋を収縮させる作用があります。この働きにより、尿の貯留を促進し、不随意的な排尿を抑制することで、排尿機能に関与しています。
- 3. 上殿神経は、主に中殿筋、小殿筋、大腿筋膜張筋といった殿部の筋肉を支配する体性神経です。これらの筋肉は股関節の運動に関わりますが、排尿機能には直接関与しません。正しくは:上殿神経は股関節の運動に関わる筋肉を支配しており、排尿には直接関与しません。選びやすい理由:骨盤周辺の神経であるため、なんとなく排尿と関連があるように感じられるかもしれませんが、機能的には排尿とは無関係です。混同注意:仙骨神経叢から派生する神経であるため、骨盤内の臓器機能に関わる他の神経と混同しやすい可能性があります。
- 4. 閉鎖神経は、主に大腿内転筋群(外閉鎖筋、薄筋、長内転筋、短内転筋、大内転筋)を支配する神経です。これらの筋肉は股関節の内転運動に関与しますが、排尿機能とは直接的な関連がありません。正しくは:閉鎖神経は股関節の内転運動に関わる筋肉を支配しており、排尿には直接関与しません。選びやすい理由:骨盤内を通る神経であるため、排尿器系と解剖学的に近い位置にあることから、関連性を連想しやすいかもしれません。混同注意:骨盤神経や陰部神経など、他の骨盤内臓器機能に関わる神経と混同しやすいです。
- 5. 迷走神経は副交感神経系の主要な神経の一つで、心臓、肺、消化管など広範な胸腹部臓器の機能調節に関与しますが、膀胱や尿道といった排尿器系への直接的な関与はほとんどありません。排尿反射の主要な副交感神経は骨盤神経です。正しくは:迷走神経は主に胸腹部の内臓機能を調節し、排尿の直接的な制御には関わりません。排尿反射の副交感神経は主に骨盤神経です。選びやすい理由:副交感神経として多くの内臓機能を制御するため、排尿もその一部だと誤解されやすいです。混同注意:骨盤神経(排尿筋を収縮させる副交感神経)と混同しやすいです。どちらも副交感神経ですが、支配領域が異なります。
国試ポイント
排尿機能に関わる神経支配(交感神経、副交感神経、体性神経)の基礎知識が問われています。特に、各神経が膀胱や尿道のどの部位に作用し、尿の貯留期と排出期のどちらに関わるかを正確に理解しているかが重要です。
混同注意
排尿に関わる神経としては、貯留に関わる下腹神経(交感神経)、排出に関わる骨盤神経(副交感神経)、随意制御に関わる陰部神経(体性神経)の3つが特に重要です。これら3つの神経の作用と、それぞれが膀胱や尿道のどの部分を支配しているかを正確に区別することが、混乱を防ぐ鍵となります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、排尿機能だけでなく、排便や性機能といった他の骨盤内臓機能に関わる神経支配についても問われる可能性があります。また、具体的な疾患(例:脊髄損傷、糖尿病性神経障害)における排尿機能障害の種類と、その原因となる神経経路の障害部位についても理解しておくことが重要です。
関連知識
膀胱・尿道の神経支配の全体像(交感神経、副交感神経、体性神経の機能と作用部位)、排尿反射のメカニズム(求心路、中枢、遠心路)、排尿機能障害の種類と神経損傷との関連性。