被殻の支配動脈を分枝するのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第60回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
被殻は、大脳基底核の一部であるレンズ核を構成する構造です。その主要な血液供給は、中大脳動脈から分岐する深部穿通枝である外側線条体動脈(レンズ核線条体動脈)によって行われます。これらの動脈は、被殻の大部分だけでなく、淡蒼球や尾状核の一部にも血液を供給しており、脳卒中などで障害されると、運動機能に大きな影響を及ぼします。
選択肢ごとの解説
- 1. 前大脳動脈は主に大脳半球の内側面や上縁、および一部の深部構造(例:前内側線条体)を支配しますが、被殻への主要な供給源ではありません。正しくは:被殻への主要な支配動脈は中大脳動脈です。選びやすい理由:大脳の広範囲を支配するため、脳の深部構造も含むと誤解する可能性があります。混同注意:前大脳動脈は内側線条体動脈などを介して尾状核頭部や被殻の一部を支配するが、主要な供給源ではない点で混同しやすいです。
- 2. 正解。中大脳動脈の深部穿通枝である外側線条体動脈(レンズ核線条体動脈)が、被殻を含むレンズ核や尾状核の一部に豊富な血液を供給します。特に被殻の大部分は中大脳動脈の支配下にあります。
- 3. 後大脳動脈は主に後頭葉、側頭葉の内側・下部、視床、中脳などを支配しますが、被殻への直接的な主要な血液供給は行いません。正しくは:被殻への主要な支配動脈は中大脳動脈です。選びやすい理由:脳の広範な部位を支配するため、深部構造も含むと誤解する可能性があります。混同注意:後大脳動脈は視床などの深部構造の一部を支配するため、被殻も含むと誤解しやすいです。
- 4. 脳底動脈は主に脳幹(橋)、小脳、後大脳動脈へと枝分かれし、大脳深部の被殻への直接的な供給源ではありません。正しくは:被殻への主要な支配動脈は中大脳動脈です。選びやすい理由:脳幹や小脳といった重要な部位を支配するため、脳全体の深部構造に影響があると誤解する可能性があります。混同注意:脳底動脈は脳全体の血液供給において重要な位置を占めますが、被殻への直接的な支配ではないため混同しやすいです。
- 5. 椎骨動脈は脳底動脈を形成し、主に脳幹、小脳、脊髄の一部を支配します。被殻への直接的な主要な血液供給は行いません。正しくは:被殻への主要な支配動脈は中大脳動脈です。選びやすい理由:脳底動脈の前身であり、脳の広範囲な血液供給に関与するため、深部構造も含むと誤解する可能性があります。混同注意:椎骨動脈は後方循環の基幹をなしますが、被殻への直接的な支配ではないため混同しやすいです。
国試ポイント
脳の主要な構造とその支配動脈の関係は、国家試験で頻繁に問われる基本的な知識です。特に大脳基底核や視床などの深部構造の支配動脈は重要です。どの動脈がどの領域を栄養しているかを正確に理解しているかが試されます。
混同注意
前大脳動脈や後大脳動脈も大脳深部構造の一部を支配するため、被殻の支配動脈と混同しやすいです。特に前大脳動脈の内側線条体動脈が尾状核頭部や被殻の内側部を支配するため、主要な支配動脈が中大脳動脈であることを理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後同じ論点が出た場合、大脳基底核の他の構造(尾状核、淡蒼球、視床下核など)や、視床、脳幹などの主要な深部構造の支配動脈が問われる可能性が高いです。また、各動脈の閉塞によって生じる主要な神経症状との関連を問う問題が出題されることも予想されます。
関連知識
脳動脈の各枝(前大脳動脈、中大脳動脈、後大脳動脈)がそれぞれ大脳のどの領域(皮質、深部構造)を支配しているかを理解することは必須です。特に、ウィリス動脈輪の構造と、そこから分岐する主要な動脈枝の走行、支配領域、そして脳卒中における各血管の閉塞による症状(例:中大脳動脈領域梗塞で生じる片麻痺や失語)まで関連付けて学習することが重要です。また、深部穿通枝(線条体動脈、視床穿通動脈など)の解剖学も理解が必要です。