膵液について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
セクレチンは消化管ホルモンの一種で、十二指腸からの酸性刺激に応答して分泌され、膵臓からの重炭酸イオンを多く含む膵液の分泌を強力に促進します。これにより、胃から流入した酸性消化物を中和し、膵酵素が働く適切なpH環境を整える重要な役割を担っています。
選択肢ごとの解説
- 1. 膵液は重炭酸イオンを豊富に含み、pHは7.5〜8.8程度の弱アルカリ性を示します。これにより、胃から送られてくる酸性の内容物を中和し、膵酵素が働きやすい環境を整えます。正しくは:膵液は弱アルカリ性である。選びやすい理由:消化液の中には酸性のもの(胃液)もあるため、知識が曖昧だと誤って選択する可能性があります。混同注意:胃液のpHと混同しやすい。
- 2. 膵液には、脂肪を分解する主要な酵素である膵リパーゼが含まれています。他にもアミラーゼ(糖質分解)やトリプシン(タンパク質分解)などが含まれます。正しくは:膵液には脂肪分解酵素が含まれている。選びやすい理由:消化酵素の種類が多いので、特定の酵素の有無について記憶が曖昧だと間違えやすいです。混同注意:胆汁が脂肪の乳化に関わるため、脂肪分解酵素自体が膵液に含まれることを見落とすことがあります。
- 3. インスリンは膵臓のランゲルハンス島から分泌されるホルモンであり、血糖の調節に関与しますが、膵液の主成分ではありません。膵液の主成分は水と重炭酸イオン、および消化酵素です。正しくは:膵液の主成分は水と重炭酸イオン、および消化酵素である。選びやすい理由:インスリンが膵臓から分泌されることは正しい知識ですが、それが『膵液の主成分』であるか否かの区別が曖昧だと間違えやすいです。膵臓の機能全体と膵液の成分を混同しやすいです。混同注意:膵臓の『内分泌機能』(ホルモン分泌)と『外分泌機能』(膵液分泌)を混同しやすいです。
- 4. 健康な成人における膵液の1日の分泌量は、通常1,000mLから1,500mL程度です。正しくは:膵液の1日の分泌量は約1,000〜1,500mLである。選びやすい理由:消化液の分泌量は複数あり、具体的な数値は記憶しにくい項目です。他の消化液の分泌量と混同したり、数値の大小を誤認したりする可能性があります。混同注意:胆汁や唾液、胃液などの他の消化液の分泌量と混同しやすい。
- 5. 正解。セクレチンは十二指腸から分泌される消化管ホルモンで、酸性の胃内容物が十二指腸に入ると分泌が促進され、膵臓からの重炭酸イオンを豊富に含む膵液の分泌を促します。選びやすい理由:消化管ホルモンの種類が多く、どのホルモンがどの消化液の分泌に作用するかを正確に覚えている必要があります。混同注意:コレシストキニン(CKK)が膵酵素の分泌を促進することと混同しやすいですが、セクレチンは主に重炭酸イオンと水分の分泌を促進する点で異なります。両者とも膵液分泌を促進します。
国試ポイント
本問題は、膵臓の生理機能、特に膵液の性質、成分、分泌量、およびその調節メカニズムに関する基本的な知識を問うものです。消化管ホルモンとその作用、主要な消化酵素の種類、各消化液のpHや分泌量の数値といった、解剖生理学の基礎が問われています。
混同注意
膵臓の『内分泌機能』(インスリンなどのホルモン分泌)と『外分泌機能』(膵液分泌)はよく混同されます。また、セクレチンとコレシストキニン(CKK)の作用の違い(セクレチンは重炭酸イオンと水、CKKは酵素分泌促進)も混同しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
この論点が出題された場合、膵臓の内分泌・外分泌機能、主要な消化管ホルモンの作用、消化酵素の特異性、および各消化液の物理化学的性質(pH、量、主要成分)に関する知識の正確性を確認する問題が続く可能性が高いです。特に、ホルモンとその標的器官・作用の組み合わせ、または欠乏症・過剰症が問われることもあります。
関連知識
膵臓の構造(ランゲルハンス島、腺房細胞)、各種消化管ホルモン(ガストリン、コレシストキニン、ソマトスタチンなど)の作用、消化酵素(アミラーゼ、リパーゼ、トリプシン、キモトリプシンなど)とその基質、各消化液(胃液、胆汁、腸液など)のpHと分泌量。