臨床実習施設で職員からハラスメントを受けた場合、学生の対応で最も適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第59回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
実習施設でハラスメントを受けた際、学生は立場上、直接施設内で解決を図ることが困難な場合が多いです。所属する養成校の実習担当教員は、学生の教育・指導・安全管理に責任を持つ立場であり、学生にとって最も適切かつ信頼できる相談先です。教員は学生の状況を把握し、必要に応じて実習施設との連携や法的措置の検討など、適切な対応を講じることができます。
選択肢ごとの解説
- 1. ハラスメントに関する情報は、後々の調査や対応のために、日時、場所、具体的な内容などを詳細に記録しておくことが非常に重要です。口頭のみでは情報の正確性が失われたり、証拠が不足したりする可能性があります。正しくは:日時、場所、具体的な内容を詳細に記録し、報告する。選びやすい理由:報告すること自体は正しい行動であり、手軽に口頭で済ませてしまいたくなる心理があるかもしれませんが、記録の有無は後の対応の精度に大きく影響します。混同注意:報告の重要性と記録の重要性を混同しやすいです。報告は必要ですが、記録を伴うことでより有効な対応が可能になります。
- 2. 正解。学生は実習生という立場であり、実習施設内で直接問題を解決しようとすることは難しい場合が多いです。養成校の教員は学生の保護者的な立場であり、適切なサポートや介入を行う責任と権限を持っているため、最も信頼でき、適切な対応を期待できる相談先です。
- 3. ハラスメントは加害者の問題であり、被害者がその原因を自分に求めることは不適切です。このような自己責任論は、被害者の心理的負担を増大させ、二次被害を招く可能性があります。正しくは:ハラスメントは加害者の問題であり、自分に原因があると考えずに適切な対応を検討する。選びやすい理由:日本社会では自己反省を促す文化があり、問題が発生した際にまず自分を振り返る思考に繋がりやすいですが、ハラスメントに関しては加害者に責任があります。混同注意:一般的な問題解決における自己反省の重要性と、ハラスメントにおける責任の所在を混同しやすいです。
- 4. ハラスメント行為が繰り返されるリスクを避けるため、また自身の安全と心理的負担軽減のためにも、加害者との距離を適切に取ることが推奨されます。状況によっては、一時的に接触を避けるなどの対応も必要となります。正しくは:ハラスメント行為が再発しないよう、加害者との距離を適切に調整する。選びやすい理由:状況を波風立てたくない、人間関係を悪くしたくないという気持ちから、現状維持を望むかもしれませんが、自己保護のためには距離の調整が必要です。混同注意:円滑な人間関係を維持したいという気持ちと、ハラスメントから身を守るための行動を混同しやすいです。
- 5. 不快な言動を相手に悟られないようにすることは、加害者に対するメッセージが伝わらず、ハラスメントがエスカレートする可能性を高めます。また、学生自身の精神的な負担も増大します。適切な対応のためには、不快感を表明する、あるいは第三者に相談するなどの行動が必要です。正しくは:不快に感じた言動については、状況に応じて相手に明確に伝えるか、速やかに信頼できる第三者に相談する。選びやすい理由:面と向かって相手に不快感を伝えることへの抵抗感や、事を荒立てたくないという心理から、自己完結させようとする可能性があります。混同注意:人間関係の調和と、自己の権利保護や危険回避を混同しやすいです。
国試ポイント
実習中の学生が直面する倫理的・社会的問題に対する適切な対応を問う問題は頻出です。特に、ハラスメントや差別、事故発生時の対応など、学生が困難な状況に陥った際の行動原則を理解しているかが重要となります。責任の所在や相談窓口の役割を正確に把握していることが求められます。
混同注意
ハラスメントの責任が被害者にあるという誤解や、問題を自己解決しようとする傾向、あるいは直接加害者と交渉することの是非といった点で、受験生が混乱しやすいです。また、記録の重要性や相談先の優先順位についても混同が生じやすいです。
次に同じ論点が出たら
学生の立場、問題解決における責任の所在、利用可能な支援体制(学内・学外)、プライバシー保護と情報共有のバランス、そして問題の深刻度に応じた対応の優先順位に注目して判断する。
関連知識
ハラスメントの定義と種類(セクハラ、パワハラ、アカハラなど)、各ハラスメントに対するガイドラインや法的枠組み。養成校の倫理規定、実習指導における教員の役割と責任、学生支援体制。危機管理と報告義務の原則。情報管理と記録の重要性。