納豆を食べると作用が減弱するのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第61回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
ワルファリンは経口抗凝固薬であり、ビタミンKの作用を阻害することで血液凝固を抑制します。納豆にはビタミンK2が非常に多く含まれており、これを摂取すると体内のビタミンK濃度が上昇し、ワルファリンの抗凝固作用が著しく減弱します。そのため、ワルファリン服用中の患者は納豆の摂取を避ける必要があります。
選択肢ごとの解説
- 1. アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACE阻害薬)は高血圧治療薬であり、納豆に含まれる成分(特にビタミンK)との明確な相互作用は報告されていません。正しくは:納豆の摂取によって作用が減弱する薬ではありません。選びやすい理由:特定の食品との相互作用を問う問題であるため、薬の種類が多岐にわたる中で、関連性を誤って結びつけてしまう可能性があります。混同注意:カリウム含有量の高い食品(バナナなど)との相互作用(高カリウム血症)はありますが、納豆とは直接関連しません。
- 2. インスリンは血糖値を下げるホルモン製剤であり、糖尿病治療に用いられます。納豆が直接インスリンの作用を減弱させるというエビデンスはありません。正しくは:納豆の摂取によって作用が減弱する薬ではありません。選びやすい理由:糖尿病患者は食事内容に気を配る必要があるため、漠然と食品と薬の相互作用があると考えてしまうかもしれません。混同注意:血糖値に影響を与える食品はありますが、インスリンの薬効そのものを減弱させるものではありません。
- 3. カルシウム拮抗薬は高血圧や狭心症の治療に用いられます。納豆に含まれる成分とカルシウム拮抗薬の作用との間に、特筆すべき相互作用は報告されていません。正しくは:納豆の摂取によって作用が減弱する薬ではありません。選びやすい理由:グレープフルーツジュースのように、特定の食品が薬の代謝に影響を与えるケースがあるため、納豆も何らかの影響があるのではと推測するかもしれません。混同注意:グレープフルーツジュースとカルシウム拮抗薬の相互作用(薬効増強)とは異なります。
- 4. ループ利尿薬は体内の余分な水分を排出する薬で、浮腫や高血圧の治療に用いられます。納豆とループ利尿薬の作用との間に、特筆すべき相互作用は報告されていません。正しくは:納豆の摂取によって作用が減弱する薬ではありません。選びやすい理由:利尿作用を持つ食品(カリウムを多く含むものなど)があるため、薬との相互作用を連想する可能性があります。混同注意:利尿薬とカリウム含有量の高い食品との関係(カリウム排泄促進による低カリウム血症など)はありますが、納豆とは直接関連しません。
- 5. 正解。ワルファリンは抗凝固薬であり、血液の凝固を抑制することで血栓の形成を防ぎます。納豆にはビタミンK2(メナキノン)が非常に豊富に含まれており、ビタミンKは血液凝固因子を活性化させる働きがあります。ワルファリンはビタミンKの働きを阻害することで抗凝固作用を発揮するため、納豆を摂取するとワルファリンの作用が減弱し、薬の効果が打ち消されてしまうため、併用は禁忌とされています。
国試ポイント
食品と医薬品の相互作用に関する基本的な知識が問われています。特に、抗凝固薬であるワルファリンとビタミンK含有食品(納豆など)の関係は頻出の重要事項です。作業療法士は患者の食事指導に関わる場面もあるため、このような知識は必須です。
混同注意
ワルファリン以外の抗凝固薬(直接経口抗凝固薬: DOACs)はビタミンKの影響を受けにくいですが、本問題ではワルファリンに限定されています。また、特定の食品が薬の吸収を阻害したり、代謝酵素に影響を与えたりする他の相互作用(例: グレープフルーツとカルシウム拮抗薬)と混同しないように注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出題された場合、ワルファリン以外の抗凝固薬と食品の相互作用、あるいは他の代表的な薬剤(例:テトラサイクリン系抗生物質と牛乳、降圧薬とグレープフルーツ)と食品の相互作用について問われる可能性があります。また、薬剤とサプリメントの相互作用についても知識が求められるかもしれません。
関連知識
ワルファリンの作用機序(ビタミンK依存性凝固因子の活性化阻害)、ビタミンKを多く含む食品(納豆の他に、ほうれん草、ブロッコリーなど緑黄色野菜も比較的含むが、納豆のビタミンK2含有量は突出して高い)。食品と薬の相互作用には、薬の吸収、代謝、排泄への影響、薬理作用への直接的な影響など様々なパターンがあること。