室内空調が陽圧に調整されているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
集中治療室(ICU)は、免疫力の低下した重症患者が多いため、外部からの細菌やウイルス、塵埃などの汚染物質の侵入を防ぎ、清潔な環境を保つ必要があります。このため、室内の空気圧を外部よりも高くする陽圧管理が採用されます。これにより、ドアの開閉時などにも汚染された外気が室内へ流れ込むことを防ぎます。
選択肢ごとの解説
- 1. 一般的な病室では、特別な空気圧管理は通常行われません。患者の快適性や換気が主目的であり、厳密な清浄度を保つための陽圧設定は不要です。正しくは:特殊な空気圧管理は不要な場所です。選びやすい理由:病院内の部屋なので清潔を保つイメージがあるかもしれませんが、特定の感染管理を目的としたものではありません。混同注意:無菌室や集中治療室のような、特別な空気圧管理が必要な部屋と混同しやすいです。
- 2. 外来待合スペースは不特定多数の人が出入りするため、外部からの汚染を完全に防ぐ陽圧管理には適していません。むしろ、排気による十分な換気が重視されます。正しくは:特殊な空気圧管理は不要な場所です。選びやすい理由:病院の公共スペースとして清潔を保つべきだと考えがちですが、空気圧による感染管理の対象ではありません。混同注意:クリーンルームや手術室などの高度な清浄度が求められる施設と混同しやすいです。
- 3. 機能回復訓練室では、患者が身体活動を行うため、快適な温度・湿度管理や換気が重要ですが、感染予防を目的とした特別な陽圧管理は通常行われません。正しくは:特殊な空気圧管理は不要な場所です。選びやすい理由:術後早期の患者も利用するため、清潔であるべきというイメージから、陽圧であると誤解する可能性があります。混同注意:高い清浄度が求められる手術室やクリーンルームと混同しやすいです。
- 4. 正解。集中治療室では、重症患者や免疫機能が低下した患者が多く入院しており、感染リスクが非常に高いです。陽圧に設定することで、外部からの病原菌や塵埃の侵入を防ぎ、清潔な環境を維持することが可能です。空気の流れが常に室内から室外に向かうため、汚染物質が入り込みにくくなります。正しくは:この選択肢は正しい記述です。
- 5. 感染症患者の隔離室は、病原体が部屋の外へ拡散するのを防ぐ目的で、通常は**陰圧**に設定されます。室内の気圧が周囲よりも低く保たれるため、空気は常に外部から室内へと流れ込み、室内の汚染された空気が外に漏れ出すのを防ぎます。正しくは:陰圧に調整されます。選びやすい理由:「感染症」という言葉から感染管理が必要な部屋だと連想し、陽圧であると誤解しやすいですが、目的が「病原体の封じ込め」であるため正反対の陰圧が適用されます。混同注意:無菌室やクリーンルームといった「外部からの汚染を防ぐ」ための陽圧室と混同しやすいです。感染症隔離室は「病原体の流出を防ぐ」ための施設です。
国試ポイント
医療施設における空気圧管理(陽圧と陰圧)の基本的な知識と、それぞれの管理が適用される具体的な場所を理解しているかを問う問題です。特に、その管理がなぜ必要なのか、どのような目的で行われるのかという本質的な理解が求められます。
混同注意
最も混同しやすいのは「陽圧」と「陰圧」の概念と、それらが適用される場所です。陽圧は「外部からの汚染を防ぐ(クリーンな環境を守る)」目的で、集中治療室や手術室、無菌室などで用いられます。一方、陰圧は「内部の汚染が外部に漏れるのを防ぐ(病原体を封じ込める)」目的で、感染症隔離室などで用いられます。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まず施設の「機能」と「空気圧管理の目的」を明確に区別することが重要です。「外部からの侵入を防ぎたいのか(陽圧)」、それとも「内部からの漏出を防ぎたいのか(陰圧)」という視点で選択肢を検討しましょう。
関連知識
医療施設における空調システムは、単に快適性を保つだけでなく、感染管理において極めて重要な役割を果たします。特に、手術室、クリーンルーム、集中治療室、感染症隔離室などでは、特定の空気圧管理が義務付けられています。これらの知識は、医療現場で働く作業療法士として、患者の安全を確保するために必須です。