自閉症スペクトラム障害にみられる行動の特徴として最も適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第58回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
自閉症スペクトラム症(ASD)の診断基準には、社会的コミュニケーションと相互作用における持続的な欠陥が含まれます。これには、非言語的コミュニケーションの異常や、対人関係の維持・理解の困難が含まれます。冗談や比喩、皮肉といった抽象的・間接的なコミュニケーションの理解困難は、この社会的コミュニケーションの欠陥の典型的な表れです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。自閉症スペクトラム症のある人は、言葉の文字通りの意味を捉えがちで、抽象的な思考や非言語的なニュアンスの解釈に困難を抱えることが多いです。そのため、冗談や皮肉、比喩といった間接的な表現の意図を正確に把握するのが難しいという特徴が見られます。
- 2. うっかりミスが多いことは、注意欠陥・多動症(ADHD)や一般的な集中力の問題、あるいは一時的な疲労など、様々な状況で起こり得る特徴であり、自閉症スペクトラム症に特有の行動ではありません。正しくは:この選択肢を自閉症スペクトラム症の特徴として適切にするには、「特定のルーティンからの逸脱に対して強い抵抗を示す」など、よりASDの診断基準に合致する内容にする必要があります。選びやすい理由:注意欠陥・多動症(ADHD)と自閉症スペクトラム症が併存するケースがあるため、両者の特徴が混同されやすいかもしれません。また、不注意は誰にでも起こるため、特定の障害に結びつけにくいです。混同注意:注意欠陥・多動症(ADHD)の不注意特性と混同しやすいです。
- 3. 単語の途中で区切って読む行動は、読字障害(ディスレクシア)や発音・構音の困難、あるいは読解力に問題を抱える場合に多く見られる特徴です。自閉症スペクトラム症の核となる行動特性とは異なります。正しくは:この選択肢を自閉症スペクトラム症の特徴として適切にするには、「特定の話題に強いこだわりを示し、一方的に話し続ける」など、コミュニケーションパターンの特徴に言及する必要があります。選びやすい理由:自閉症スペクトラム症の人が言語発達に困難を抱えることがあるため、読字に関する問題も関連すると誤解される可能性があります。混同注意:読字障害(ディスレクシア)や構音障害、または言語発達遅滞と混同しやすいです。
- 4. 突発的なまばたきの繰り返しは、チック症候群(例:トゥレット症候群)の運動チックとしてよく知られています。チック症は自閉症スペクトラム症と併存することがありますが、自閉症スペクトラム症そのものの主要な行動特性ではありません。正しくは:この選択肢を自閉症スペクトラム症の特徴として適切にするには、「限定的で反復的な行動や興味、活動パターンを示す」など、反復行動のパターンに言及する必要があります。選びやすい理由:チック症と自閉症スペクトラム症の併存率が高いことから、関連付けて正しいと判断してしまう可能性があります。混同注意:チック症候群(運動チック)と混同しやすいです。
- 5. 特定の状況下で話すことができないという特徴は、「場面緘黙(選択的緘黙)」の典型的な症状です。場面緘黙は不安症の一種であり、自閉症スペクトラム症と併存することもありますが、自閉症スペクトラム症の核となる行動特性ではありません。正しくは:この選択肢を自閉症スペクトラム症の特徴として適切にするには、「社会的な相互作用における非言語的コミュニケーションの困難がある」など、社会性の問題に言及する必要があります。選びやすい理由:自閉症スペクトラム症の人が社会的な状況でコミュニケーションに困難を抱えるため、場面緘黙と関連付けて正しいと判断してしまう可能性があります。実際に併存例もあります。混同注意:場面緘黙(選択的緘黙)と混同しやすいです。
国試ポイント
自閉症スペクトラム症の核となる診断基準や主要な行動特性(社会的コミュニケーションの質的な障害、限定された反復的な行動・興味・活動)を理解しているかを問う問題です。他の発達障害や精神疾患の症状との鑑別も重要になります。
混同注意
注意欠陥・多動症(ADHD)、特定の学習障害、チック症、場面緘黙などの他の発達障害や精神疾患の症状と、自閉症スペクトラム症の特性が混同されやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に同様の問題が出た場合、まず自閉症スペクトラム症の「核となる診断基準(社会的コミュニケーションの質的な障害、限定された反復的な行動・興味・活動)」に直接結びつく選択肢を探します。他の障害でよく見られる症状や、一般的な行動は除外して考えます。
関連知識
自閉症スペクトラム症の診断基準(DSM-5など)では、社会的コミュニケーションおよび社会的相互作用における持続的な欠陥と、限定された反復的な行動、興味、活動の2つの領域での特性が求められます。社会的コミュニケーションの困難には、相互的対話の困難、非言語的コミュニケーションの異常、対人関係の発展・維持・理解の困難が含まれます。