甲状腺で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第61回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
甲状腺の傍濾胞細胞(C細胞)は、血中カルシウム濃度調節に関わるホルモンであるカルシトニンを分泌します。カルシトニンは血中カルシウム濃度が高いときに分泌され、骨からのカルシウム放出を抑制し、腎臓でのカルシウム再吸収を阻害することで、血中カルシウム濃度を低下させる作用を持ちます。
選択肢ごとの解説
- 1. 成人における甲状腺の平均的な重さは約15~20gであり、100gは過剰な値です。100gを超えると腫大とみなされることもあります。正しくは:甲状腺の重さは約15~20gです。選びやすい理由:臓器の重さに関する知識が曖昧だと、具体的な数値に惑わされる可能性があります。混同注意:他の臓器の重さ(例:肝臓約1.5kg、脾臓約120g、腎臓約150g)と混同する可能性があります。
- 2. 正解。甲状腺の傍濾胞細胞(C細胞)は、血中カルシウム濃度が高いときに、骨へのカルシウム沈着を促進し、血中カルシウム濃度を低下させるホルモンであるカルシトニンを分泌します。混同注意:甲状腺ホルモン(サイロキシン、トリヨードサイロニン)と混同することはありませんが、パラトルモン(副甲状腺ホルモン)と拮抗する作用を持つため、関連付けて理解することが重要です。
- 3. 副甲状腺は通常、甲状腺の背面に左右2個ずつ、合計4個存在します。個人差により、2個や6個など異なる場合もありますが、一般的には4個とされます。正しくは:副甲状腺は通常4個存在します。選びやすい理由:「2個」という数字が、左右に1個ずつと誤解を招きやすいですが、左右それぞれに上・下の2個ずつあることを知っているか問われています。混同注意:他の内分泌腺の数(例:副腎は2個)と混同しやすいかもしれません。
- 4. 甲状腺は、喉頭の前面にある甲状軟骨のすぐ下、気管の前面に位置しています。甲状軟骨は「のど仏」のことで、その下部に位置します。正しくは:甲状腺は甲状軟骨の下方に位置します。選びやすい理由:甲状軟骨が甲状腺と同じ「甲状」という名称を持ち、近接しているため、位置関係を混同しやすいです。混同注意:舌骨や輪状軟骨との位置関係と混同する可能性があります。甲状軟骨が最も目立つため、誤解しやすいです。
- 5. 上甲状腺動脈は外頸動脈の最初の枝として分岐します。内頸動脈は脳に血液を供給し、頸部では原則として枝を出しません。正しくは:上甲状腺動脈は外頸動脈から分岐します。選びやすい理由:頸動脈という大元の血管は正しいですが、内頸動脈と外頸動脈の区別が曖昧だと誤った選択をしてしまいます。内頸動脈が脳への栄養を主としていることを知らないと間違いやすいです。混同注意:総頸動脈から内頸動脈と外頸動脈に分岐することや、下甲状腺動脈が鎖骨下動脈の枝である甲状頸動脈から分岐することと混同する可能性があります。
国試ポイント
甲状腺の生理機能と解剖学的位置、および関連する血管・神経支配に関する基本的な知識が問われています。特に、複数のホルモンを分泌する腺の場合、どの細胞がどのホルモンを分泌するのか、その作用は何かといった詳細な理解が求められます。
混同注意
甲状腺ホルモン(サイロキシン、トリヨードサイロニン)とカルシトニン、そして副甲状腺ホルモン(パラトルモン)の作用と分泌元。内頸動脈と外頸動脈の分岐と支配領域。
次に同じ論点が出たら
今後出題される場合は、甲状腺ホルモンの作用、あるいは甲状腺と副甲状腺のホルモンの相互作用(カルシウム代謝調節)について、より詳細な知識が問われる可能性があります。また、血管の分岐と支配臓器に関する問題も引き続き重要です。
関連知識
甲状腺ホルモンの合成・分泌・作用機序、ホルモン調節(視床下部-下垂体-甲状腺系)、甲状腺疾患(バセドウ病、橋本病など)の病態生理、副甲状腺の機能と疾患。