疾患と治療の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
アルコール依存症の治療においては、医療機関での薬物療法や精神療法に加え、AA(Alcoholics Anonymous)のような自助グループへの参加が回復において非常に重要な役割を果たします。AAは、同じ問題を抱える人々が互いに支え合い、断酒を継続するための精神的・社会的サポートを提供します。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。AAは、アルコール依存症からの回復を目指す人々が互いに支え合い、体験を共有することで、断酒を継続できるよう支援する自助グループです。精神的な支援や生活指導を通じて、治療に非常に重要な役割を果たします。
- 2. コリンエステラーゼ阻害薬は、主にアルツハイマー型認知症などの認知機能障害の改善を目的として使用される薬剤です。覚醒剤依存症の直接的な治療薬ではありません。正しくは:覚醒剤依存症の治療には、認知行動療法(CBT)などの精神療法や、再乱用防止のためのプログラム(例:SMARPP)が中心となります。薬物療法としては、対症療法や精神症状を抑える薬が用いられることがあります。選びやすい理由:薬物依存症全般に対して何らかの薬物治療があるという漠然とした知識から、薬の名称に惑わされる可能性があります。混同注意:認知症治療薬と薬物依存症の治療薬を混同している可能性があります。
- 3. ビタミンB₁(チアミン)の補充は、主にアルコール依存症に伴うウェルニッケ脳症やコルサコフ症候群といった栄養障害による神経合併症の予防や治療に用いられます。大麻依存症の標準的な治療法ではありません。正しくは:大麻依存症の治療は、主に認知行動療法や動機づけ面接などの精神療法が中心となります。選びやすい理由:薬物依存症において栄養状態が悪化することがあるため、栄養補充が治療に役立つと誤解する可能性があります。混同注意:アルコール依存症に特有の合併症とその治療法を、他の薬物依存症と混同している可能性があります。
- 4. SMARPP(Serigaya Methamphetamine Relapse Prevention Program)は、覚醒剤依存症患者の再乱用を防止するために開発された認知行動療法に基づくプログラムです。タバコ依存症の治療には適用されません。正しくは:タバコ依存症の治療には、ニコチン置換療法(ニコチンパッチ、ガムなど)や、バレニクリン、ブプロピオンといった禁煙補助薬、そして禁煙指導が用いられます。選びやすい理由:「依存症プログラム」という漠然としたイメージから、何らかの依存症全般に適用されると誤解しやすいかもしれません。混同注意:覚醒剤依存症の専門プログラムとタバコ依存症の治療法を混同している可能性があります。
- 5. ニコチン置換療法は、タバコ依存症患者が禁煙する際に生じるニコチン離脱症状を軽減するために、ニコチン製剤(パッチ、ガムなど)を使用する治療法です。ヘロイン依存症の治療法とは異なります。正しくは:ヘロイン依存症(オピオイド依存症)の治療には、メサドン維持療法やブプレノルフィン維持療法といった薬物療法、および精神療法が用いられます。選びやすい理由:「置換療法」という言葉から、依存対象を別の薬物で置き換える治療法が、様々な薬物依存症に共通して存在するとの誤解を招きやすいです。混同注意:タバコ依存症の治療法と、オピオイド(ヘロイン)依存症の治療法を混同している可能性があります。
国試ポイント
この問題は、主要な依存症の種類と、それぞれに対する代表的な治療法や支援プログラムの組み合わせに関する知識を問うものです。特に、特定の依存症に特化した治療法やプログラム(例:AA、SMARPP、ニコチン置換療法、ビタミンB1補充など)を正確に理解しているかが鍵となります。
混同注意
依存症の治療法は多岐にわたり、薬物療法、精神療法、自助グループ、特定のプログラムなど様々な形態があります。それぞれの治療法がどの依存症に適用されるのか、あるいはどの依存症に特有の合併症に対する治療なのかを混同しやすい点が狙われやすいです。特に、薬の名前やプログラムの略称は、特定の疾患と結びつけて覚える必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、各依存症について「なぜその治療法が選択されるのか(作用機序や目的)」、「その治療法が特定の依存症に特有のものなのか、一般的なものなのか」を深く理解しておくことが重要です。また、薬物療法だけでなく、精神療法や自助グループの名称と対象疾患も再確認しましょう。
関連知識
・アルコール依存症:抗酒剤、断酒会、ビタミンB1(チアミン)補充(ウェルニッケ・コルサコフ症候群予防・治療) ・覚醒剤依存症:認知行動療法、SMARPP(覚醒剤再乱用防止プログラム)、精神症状への対症療法 ・大麻依存症:認知行動療法、動機づけ面接など精神療法が中心 ・タバコ依存症:ニコチン置換療法、バレニクリン、ブプロピオン、禁煙指導 ・オピオイド(ヘロイン)依存症:メサドン維持療法、ブプレノルフィン維持療法、NA(Narcotics Anonymous)