正常な肉芽の特徴はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
正常な肉芽組織は、血管新生が活発で毛細血管が非常に豊富なため、外部からの軽微な刺激に対しても容易に出血しやすいという特徴があります。この『易出血性』は、肉芽組織が健康に増生している重要なサインの一つとされています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正常な肉芽組織は血管新生や線維芽細胞の増殖により創傷治癒を促進する段階であり、健康な状態であれば感染は起こりにくいです。正しくは:健康な肉芽組織は感染に強い抵抗力を持ちます。選びやすい理由:創傷部位は一般的に感染リスクが高いと認識されがちですが、正常な肉芽組織自体は防御機能を持っています。混同注意:肉芽組織が壊死や感染を伴う場合は感染しやすいですが、設問は『正常な』肉芽の特徴を問うています。
- 2. 正常な肉芽組織は血管が豊富で、滲出液によって潤った状態が保たれています。乾燥は創傷治癒を妨げます。正しくは:湿潤な状態を保っています。選びやすい理由:傷口は乾燥させて治すという誤解から選ばれやすいかもしれませんが、現在の創傷治療では湿潤環境の保持が重要です。混同注意:痂皮(かさぶた)と混同したり、乾燥状態が治癒を意味すると誤解したりする可能性があります。
- 3. 正解。正常な肉芽組織は新しい毛細血管が非常に豊富に存在するため、軽く触れたり少しの刺激でも容易に出血しやすいという特徴があります。これは組織の再生が活発に行われている証拠です。選びやすい理由:出血は異常事態と捉えられがちですが、正常な肉芽においては生理的な特徴の一つです。
- 4. 正常な肉芽組織は、豊富な血管新生により赤色からピンク色を呈します。白っぽい場合は、血流が悪い、浮腫がある、または線維化が進んでいるなど、異常を示唆することが多いです。正しくは:鮮やかな赤色からピンク色をしています。選びやすい理由:清潔なイメージから白いと連想するかもしれませんが、生物組織としての肉芽は血流の色が反映されます。混同注意:壊死組織や瘢痕組織の色と混同する可能性があります。
- 5. 正常な肉芽組織では、適度な滲出液が見られますが、多量の分泌物(特に膿性や悪臭を伴うもの)は感染や炎症の徴候であり、正常な状態ではありません。正しくは:適度な量の滲出液が見られます。選びやすい理由:創傷部位から液体が出るのは自然なことという認識から選ばれやすいですが、その『量』がポイントです。混同注意:滲出液と膿性分泌物を混同する可能性があります。
国試ポイント
創傷治癒過程における『肉芽形成期』の基本的な組織学的・視覚的特徴について問う問題です。特に、健康な肉芽と異常な肉芽(感染、壊死、慢性化など)を鑑別する知識が求められます。国試では、肉芽組織の見た目(色、潤い、出血の有無)や感触に関する基本的な知識が頻繁に出題されます。
混同注意
肉芽組織が『出血しやすい』という特徴は、一般的に『異常』や『炎症』と結びつけられがちであるため、学生は正常な現象であることに戸惑うことがあります。また、壊死組織、感染組織、過剰肉芽など、様々な異常な創傷状態との鑑別が重要です。
次に同じ論点が出たら
この論点が出題された場合、次に何を見るべきか: - 正常な肉芽組織の他の特徴(色、湿潤度、弾力性など) - 異常な肉芽組織(例:過剰肉芽、浮腫性肉芽、感染肉芽)の特徴 - 創傷治癒過程の各段階とその特徴 - 創傷評価スケール(例:DESIGN-R®)における肉芽の評価項目
関連知識
創傷治癒の3段階(炎症期、増殖期/肉芽形成期、成熟期/リモデリング期)、各段階の組織学的特徴、正常な肉芽組織の色調(鮮紅色)、触感(柔らかい)、湿潤状態、感染徴候(発赤、熱感、腫脹、疼痛、膿性分泌物)、創傷被覆材の選択と湿潤環境の保持の重要性。