要因と症状の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
選択肢2: 循環血漿量低下は、静脈還流を減少させ心拍出量を低下させるため、特に体位変換時に脳血流が不足し、起立性低血圧の原因となります。選択肢4: 血清アルブミン値の低下は低栄養状態を示し、皮膚組織の脆弱化や創傷治癒の遅延を招くため、褥瘡のリスクを高めます。
選択肢ごとの解説
- 1. 血液粘稠度が低下すると、血流がスムーズになり、血栓はむしろできにくくなります。静脈血栓は、血液粘稠度の上昇や血流の停滞が主な原因となります。正しくは:血液の粘性が上昇する → 静脈血栓が生じる選びやすい理由:血液関連の異常と血栓症の関連は知っているため、誤って結びつけてしまう可能性があります。混同注意:血液粘稠度低下と静脈血栓の関係を逆にとらえてしまうこと。
- 2. 正解。循環血漿量の低下は、心臓へ戻る血液量が減少し、結果として心拍出量が低下します。特に体位変換時(臥位から立位など)には、重力により下肢への血液貯留が起こり、脳への血流が一時的に不足し、起立性低血圧を引き起こしやすくなります。
- 3. 最大酸素摂取量は、運動能力や心肺機能の指標であり、増加することは運動耐容能の向上を意味します。運動耐容能の低下は、最大酸素摂取量の減少と関連します。正しくは:最大酸素摂取量が減少する → 運動への耐性が低下する選びやすい理由:一見、生理学的指標と身体機能の関連性を問うているように見えますが、増加と低下という逆の関係になっている点を見落とす可能性があります。混同注意:最大酸素摂取量と運動耐容能の関係を逆に理解している可能性。
- 4. 正解。血清アルブミンは、栄養状態を示す指標の一つであり、その値が低下することは低栄養状態を示唆します。低栄養状態では、皮膚や組織の脆弱性が増し、修復能力も低下するため、褥瘡が発生しやすくなります。また、アルブミンは膠質浸透圧を維持し、組織の浮腫を予防する役割もあるため、低アルブミン血症は浮腫を悪化させ、褥瘡リスクを高めます。
- 5. 骨は物理的な負荷(応力)を受けることで、その刺激に適応し、骨形成を促進して骨密度を維持・向上させます。物理的応力が減少すると骨萎縮(骨粗鬆症)が進行しやすくなります。例えば、宇宙飛行士の骨密度低下や、長期臥床による骨萎縮などがこれにあたります。正しくは:骨にかかる物理的な負荷が減る → 骨が萎縮する選びやすい理由:「負荷」と「萎縮」という言葉の組み合わせから、何らかの異常を連想してしまう可能性があります。しかし、骨においては適度な負荷が重要です。混同注意:骨のWolffの法則やメカノトランスダクションの理解が不十分な場合。
国試ポイント
身体機能や病態生理学の基本的な知識と、それが臨床症状にどのように結びつくかを正確に理解しているかを問う問題です。特に、増加・減少といった指標の変化が、結果としてどのような影響を及ぼすのかを正しく判断する能力が求められます。
混同注意
各選択肢で提示される要因と症状の因果関係を逆にとらえたり、増加と減少の影響を混同したりしやすいです。特に、日常的な言葉のニュアンスと医学的な機序が異なる場合に注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
同様の論点では、他の生理学的指標(例:ヘモグロビン値、CPK値など)の変化が、特定の症状や病態(例:貧血、筋損傷など)とどのように関連するかを問う問題が出題される可能性があります。また、要因が複数ある場合や、間接的な要因も考慮する必要がある問題も想定されます。
関連知識
循環器系疾患の病態、栄養状態評価、骨代謝の生理学、運動生理学の基礎。特に、起立性低血圧のメカニズム、低栄養と褥瘡の関係、骨の応力適応(Wolffの法則)は重要です。