骨代謝で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第60回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
骨芽細胞は骨組織を形成する細胞であり、コラーゲンやその他の骨基質を産生します。骨芽細胞が自らが作り出した骨基質の中に埋め込まれ、細胞間の連絡を保ちながら成熟すると、骨組織の維持に関わる骨細胞へと分化します。これは骨の恒常性維持における重要なステップです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。骨芽細胞は骨基質を産生し、それが石灰化して骨組織を形成します。このプロセスにおいて、骨芽細胞の一部は自らが作った骨基質の中に閉じ込められ、成熟して骨細胞に分化します。骨細胞は骨組織内の機械的ストレスを感知し、骨のリモデリングを調整する重要な役割を担っています。選びやすい理由:骨細胞が骨芽細胞から分化するという基本的な事実を理解していれば、正しい選択肢として迷わず選べます。混同注意:骨芽細胞と破骨細胞が別の細胞系統であること。
- 2. 破骨細胞は、骨を吸収する多核の巨大細胞であり、造血幹細胞系の単球・マクロファージ系細胞に由来します。骨髄の間葉系幹細胞からは、骨芽細胞や軟骨細胞、脂肪細胞などが分化します。正しくは:破骨細胞は、骨髄の造血幹細胞(単球・マクロファージ系)から発生します。選びやすい理由:骨髄には様々な幹細胞が存在するため、破骨細胞も骨髄の間葉系幹細胞由来と誤解しやすいかもしれません。しかし、破骨細胞は造血幹細胞由来という点が重要です。混同注意:骨芽細胞(間葉系幹細胞由来)の発生源。
- 3. 骨粗鬆症は、骨の吸収が骨の形成を上回り、骨量が減少して骨密度が低下する状態です。骨の形成活動が優位な状態が続けば、骨量は増加し、骨は強化されます。したがって、この記述は誤りです。正しくは:骨の吸収活動が優位な状態が続くと、骨粗鬆症が引き起こされます。選びやすい理由:骨粗鬆症という疾患名から、骨の代謝異常が関与していることは連想できますが、形成と吸収のどちらが優位になるかで病態が真逆になるため、注意が必要です。混同注意:骨形成と骨吸収のバランスが崩れた状態が骨粗鬆症であるという点で、どちらが優位なのかを混同しやすい。
- 4. 副甲状腺ホルモン(PTH)は、血中のカルシウム濃度が低下した際に分泌され、骨からのカルシウム放出を促進することで血中カルシウム濃度を上昇させます。具体的には、破骨細胞を活性化させて骨吸収を促進し、腎臓でのカルシウム再吸収を促進します。持続的な高濃度のPTHは骨吸収を優位にしますが、間欠的なPTH投与は骨形成を促進するという複雑な側面もあります。しかし、一般的な生理作用としては骨吸収促進が主要です。正しくは:副甲状腺ホルモンは、主に骨の吸収プロセスを促進する働きがあります。選びやすい理由:ホルモンが骨代謝に影響を与えることは正しいですが、その具体的な作用方向(形成促進か吸収促進か)を混同しやすいです。カルシウム代謝に関わるため、骨形成も促進すると誤解しやすい可能性があります。混同注意:カルシトニン(骨形成促進・骨吸収抑制)の作用、またはPTHの複雑な作用(間欠投与による骨形成促進効果)と混同しやすい。
- 5. 骨に物理的な負荷(体重負荷や運動など)がかかると、骨細胞がそれを感知し、骨形成を促進するシグナルを伝達することで、骨は強度を増し、骨量の維持・増加につながります。これはメカノトランスダクションと呼ばれる現象で、宇宙飛行士の無重力下での骨量減少などからもその重要性が示唆されています。したがって、骨吸収が活発になるという記述は誤りです。正しくは:骨に物理的な負荷がかかると、骨の形成が活発になります。選びやすい理由:ストレスがかかると「壊れる」というイメージから、吸収が促進されると誤解するかもしれません。しかし、骨は適度な負荷によって強化される組織です。混同注意:過度な負荷や損傷が骨吸収を促す場合があること。しかし、生理的な負荷は形成を促すという点が重要。
国試ポイント
骨の細胞の種類(骨芽細胞、破骨細胞、骨細胞)とそれぞれの機能、発生源、そして骨代謝における役割を理解することが重要です。
混同注意
骨芽細胞と破骨細胞の機能が逆であること、および発生源が異なること。
次に同じ論点が出たら
骨の代謝に関する問題が出題された場合は、まず各細胞(骨芽細胞、破骨細胞、骨細胞)の機能と発生源が正しく記述されているかを確認します。次に、ホルモン(副甲状腺ホルモン、カルシトニンなど)が骨代謝に与える影響の方向性を確認します。
関連知識
骨芽細胞は間葉系幹細胞由来、破骨細胞は造血幹細胞(単球・マクロファージ系)由来。骨細胞は骨芽細胞由来。骨吸収と骨形成のバランスが骨の健康を維持し、このバランスが崩れると骨粗鬆症などの疾患につながる。