手指の運動とそれに作用する筋の組合せで誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
虫様筋は、手指のMP関節を屈曲させ、PIP関節とDIP関節を伸展させる作用を持つ筋肉です。したがって、中指MP関節の『伸展』に主に関与するというのは誤りです。MP関節を伸展させるのは主に総指伸筋や背側骨間筋などの役割です。
選択肢ごとの解説
- 1. 短母指伸筋(Extensor pollicis brevis)は、母指の中手指節(MP)関節と手根中手(CM)関節を伸展させる主要な筋肉です。選びやすい理由:一般的な知識であり、正しい組み合わせなので誤りとは判断しにくい。混同注意:他の母指の伸筋(長母指伸筋)との機能の違い。
- 2. 短小指屈筋(Flexor digiti minimi brevis)は、小指のMP関節を屈曲させる筋肉です。これは正しい組み合わせです。選びやすい理由:小指の屈筋として認識しやすい。混同注意:深指屈筋や浅指屈筋との機能分担。
- 3. 背側骨間筋(Dorsal interossei)は、MP関節を外転(指を広げる動き)させる作用を持ち、特に第2〜4指に作用します。環指(第4指)の外転にも関与するため、この組み合わせは正しいです。選びやすい理由:骨間筋が外転に関わることを知っていると正しく判断できる。混同注意:掌側骨間筋の内転作用との混同。
- 4. 掌側骨間筋(Palmar interossei)は、MP関節を内転(指を閉じる動き)させる作用を持ちます。小指(第5指)の内転は、この掌側骨間筋によって行われるため、正しい組み合わせです。選びやすい理由:掌側骨間筋が内転に関わることを知っていると正しく判断できる。混同注意:背側骨間筋の外転作用との混同。
- 5. 正解。虫様筋(Lumbricals)は、MP関節を屈曲させ、IP関節を伸展させる作用を持つ筋肉です。中指のMP関節を伸展させる主な作用はありません。正しくは:中指MP関節の伸展:総指伸筋選びやすい理由:虫様筋がIP関節の伸展に関わるため、伸展作用があることは正しいが、MP関節の伸展ではないという点が見落とされやすい。混同注意:MP関節の『屈曲』とIP関節の『伸展』という虫様筋の複合的な作用を、単一の関節運動と混同しやすい。
国試ポイント
この問題は、手指の各関節運動に関わる主要な筋肉の知識を問うものです。特に、虫様筋のように複数の関節に複合的な作用を持つ筋肉の機能や、骨間筋の外転・内転作用について正確に理解しているかが試されます。単に関節名と筋肉名を覚えるだけでなく、その筋肉がどの関節でどのような動きを引き起こすのかを正確に把握している必要があります。
混同注意
虫様筋の作用(MP屈曲・IP伸展)と、総指伸筋や骨間筋の作用。特に、虫様筋のIP関節伸展作用があるため、「伸展」というキーワードに引きずられて誤って正しいと判断してしまう可能性があります。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合、各筋肉の作用が複数の関節に及ぶ場合に、どの関節でどのような作用があるのか、特に複合的な作用を持つ筋肉(例:虫様筋)について、正確に理解しているかを確認します。また、類似する作用を持つ他の筋肉との区別も重要です。
関連知識
手指の各関節(CM, MP, PIP, DIP)の解剖学的位置と運動方向(屈曲・伸展・外転・内転・対立)。各指の筋肉(母指球筋、小指球筋、虫様筋、骨間筋、前腕筋群)の起始・停止・支配神経・作用。