右手背部の写真(別冊No. 4)を別に示す。矢印が示す腱はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
下に示す画像は右手背部を写しており、矢印が指しているのは、橈骨のLister's tubercleを乗り越え、解剖学的嗅ぎタバコ窩の尺側縁を明確に形成している腱です。これは長母指伸筋腱(Extensor Pollicis Longus: EPL)の特徴的な走行です。長母指伸筋腱は母指の指節間関節と中手指節関節の伸展に作用します。
選択肢ごとの解説
- 1. 短母指伸筋腱は、長母指外転筋腱とともに第1背側コンパートメントを構成しますが、長母指伸筋腱よりも橈側に位置し、解剖学的嗅ぎタバコ窩の橈側縁を形成します。画像で矢印が示すのは解剖学的嗅ぎタバコ窩の尺側縁を構成する腱です。正しくは:画像で矢印が示すのは長母指伸筋腱です。選びやすい理由:母指の伸展に関わる腱であるため、選択肢として関連性があり、解剖学的嗅ぎタバコ窩を構成する腱であるため混同しやすいです。混同注意:長母指伸筋腱(解剖学的嗅ぎタバコ窩の尺側縁)と混同しやすいです。
- 2. 正解。画像で矢印が示す腱は、手関節背側で橈骨のLister's tubercleを乗り越え、母指のIP関節とMP関節を伸展させる長母指伸筋腱です。この腱は、短母指伸筋腱と長母指外転筋腱によって形成される解剖学的嗅ぎタバコ窩の尺側縁を明確に構成しています。
- 3. 母指内転筋腱は、主に母指を手のひらの方向に内転させる働きを持つ筋肉(母指内転筋)の腱であり、手のひら側(掌側)の深層に位置します。問題の画像は手背部を示しており、この腱は手背側には見られません。正しくは:画像で矢印が示すのは長母指伸筋腱です。選びやすい理由:母指の動きに関わる腱ではありますが、位置が手背部ではないため誤りです。混同注意:母指の運動に関わる他の腱と混同しやすいですが、位置が根本的に異なります。
- 4. 短母指外転筋腱は、母指を掌側から外転させる筋肉(短母指外転筋)の腱であり、主に手根管から出て母指球筋の一部を構成します。手背部の画像には直接視認できません。正しくは:画像で矢印が示すのは長母指伸筋腱です。選びやすい理由:母指の動きに関わる腱であり、名前の類似性から混同しやすいですが、手背部で視認できる位置ではありません。混同注意:長母指外転筋腱や、短母指伸筋腱などの手背側の腱と混同しやすいです。
- 5. 長母指外転筋腱は、短母指伸筋腱とともに手背の第1背側コンパートメントを通り、解剖学的嗅ぎタバコ窩の橈側縁を形成します。画像で矢印が示すのは、解剖学的嗅ぎタバコ窩の尺側縁を構成する腱です。正しくは:画像で矢印が示すのは長母指伸筋腱です。選びやすい理由:解剖学的嗅ぎタバコ窩を構成する腱であるため、選択肢として関連性があり混同しやすいです。混同注意:長母指伸筋腱(解剖学的嗅ぎタバコ窩の尺側縁)と混同しやすいです。
国試ポイント
この問題は、手関節および母指周囲の主要な腱の解剖学的知識、特に『解剖学的嗅ぎタバコ窩』を構成する腱とその位置関係を画像から正確に識別できるか否かを問うものです。臨床で頻繁に触診や視診を行う部位であり、基本的な解剖学的ランドマークの理解が求められます。
混同注意
長母指伸筋腱、短母指伸筋腱、長母指外転筋腱は、すべて母指の運動に関与し、手背部に位置するため混同しやすいです。特に、解剖学的嗅ぎタバコ窩を構成する3つの腱(長母指伸筋腱、短母指伸筋腱、長母指外転筋腱)の位置関係を正確に理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、他の指の伸筋腱(総指伸筋腱、示指伸筋腱、小指伸筋腱など)や屈筋腱(深指屈筋腱、浅指屈筋腱など)の画像識別、あるいは腱鞘の構造、各腱の支配神経や主な機能についての知識が問われる可能性があります。
関連知識
解剖学的嗅ぎタバコ窩は、橈側縁を長母指外転筋腱と短母指伸筋腱、尺側縁を長母指伸筋腱が構成します。この窩の底には舟状骨と大菱形骨があり、橈骨動脈が通過します。この部位の腱損傷(例:De Quervain病)や骨折(舟状骨骨折)は臨床で重要です。