骨格筋の収縮について誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第57回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
強縮は、単一の刺激では起こりません。強縮は、神経が筋に対して短時間で高頻度な刺激を繰り返し与えることで、個々の単収縮が時間的に融合し、持続的かつ最大に近い張力を発生させる収縮状態を指します。単一の刺激では、筋は一度収縮してすぐに弛緩する『単収縮』を示します。
選択肢ごとの解説
- 1. この記述は正しいです。筋小胞体は筋細胞内のカルシウム貯蔵庫として機能し、筋収縮のトリガーとなるCa2+を放出・回収します。
- 2. この記述は正しいです。神経からの刺激により筋細胞膜に活動電位が発生し、それが筋小胞体からのCa2+放出を引き起こすことで筋収縮が開始されます。活動電位が先行し、その後に機械的な収縮が起こるという時系列です。
- 3. この記述は正しいです。運動神経終末から放出されたアセチルコリンは、神経筋接合部にある筋細胞膜のニコチン性アセチルコリン受容体に結合し、筋細胞の脱分極を引き起こします。
- 4. 正解。この記述は誤りです。運動神経に単一の刺激を与えた場合、筋は一度だけ収縮・弛緩する『単収縮』を起こします。強縮は、高頻度で刺激が反復された際に、個々の単収縮が融合して持続的な収縮が生じる現象です。正しくは:運動神経に一度だけ刺激を与えると、単収縮が生じます。選びやすい理由:「収縮」という言葉から、強い収縮を連想し、「強縮」という言葉の響きに引きずられる可能性があります。また、強縮がどのようにして起こるかの具体的なメカニズムを正確に理解していない場合、単一刺激でも起こるのではないかと誤解するかもしれません。混同注意:単収縮、不完全強縮、完全強縮の区別。強縮が「持続的な刺激」によって生じる現象であることを混同しやすい。
- 5. この記述は正しいです。比較的低い頻度で刺激を反復すると、個々の単収縮は完全に弛緩するものの、次々に続く収縮の張力が増加していく現象(階段現象、またはtreppe)が観察されます。これは、筋細胞内にCa2+がわずかに蓄積されることなどが原因とされています。
国試ポイント
骨格筋の収縮に関わる基本的な生理学的現象(筋小胞体の機能、活動電位と収縮の関係、神経筋接合部の受容体、単収縮・強縮・階段現象の違い)を正確に理解しているかが問われています。特に、単収縮と強縮、およびそれらを引き起こす刺激の頻度の関係性がポイントです。
混同注意
単収縮、不完全強縮、完全強縮、階段現象(treppe)といった様々な収縮様式と、それぞれがどのような刺激頻度で生じるのかが混同されやすいです。特に、強縮が「持続的かつ高頻度の刺激」によって起こる現象であることを正確に覚えておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
筋収縮の各段階におけるイオンチャネルの開閉、ATPの役割、アクチン・ミオシンの結合メカニズム、運動単位の概念など、より詳細な生理学的プロセスを理解しているかを問う問題が出る可能性があります。
関連知識
骨格筋の興奮収縮連関、筋小胞体の役割、アセチルコリンの機能と受容体、筋収縮のメカニズム(滑り説)、Ca2+の役割、ATPの関与。