運動軸が2つの関節はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
橈骨手根関節は楕円関節(顆状関節)に分類され、掌屈・背屈運動(横軸)と、橈屈・尺屈運動(前後軸)の2方向の運動が可能です。そのため、運動軸は2つとなります。
選択肢ごとの解説
- 1. 環軸関節は車軸関節の一種であり、垂直軸(縦軸)を中心とした回旋運動のみが可能です。したがって、運動軸は1つです。正しくは:環軸関節の運動軸は1つです。選びやすい理由:関節の種類と運動軸の数を混同しやすいかもしれません。混同注意:『多くの方向へ動く関節=多軸性』という誤解から、可動域の広さと軸の数を混同する可能性がありますが、環軸関節の運動は回旋に特化しています。
- 2. 距関節(足関節)は蝶番関節の一種であり、横軸(左右軸)を中心とした底屈・背屈運動のみが可能です。したがって、運動軸は1つです。正しくは:距関節の運動軸は1つです。選びやすい理由:足の複雑な動き全体を指す『足関節』と混同して、多軸性を連想するかもしれませんが、距骨と脛骨・腓骨からなる距関節自体は1軸性です。混同注意:足部の関節(例:距骨下関節、横足根関節)全体の動きと、単一の距関節の運動を混同しやすいです。距関節は足部の背屈・底屈に特化しています。
- 3. 肩鎖関節は平面関節の一種であり、複数の平面内での滑り運動がわずかに可能ですが、明確な運動軸は1つとは言えず、また2軸性関節の定義には当てはまりません。一般的に、主要な運動軸は考慮されにくい関節です。正しくは:肩鎖関節は明確な運動軸を持たず、2軸性関節ではありません。選びやすい理由:肩の複雑な動きの一部を担うため、多軸性を連想するかもしれませんが、関節自体の可動域は小さいです。混同注意:他の肩関節複合体の関節(肩甲上腕関節など)の多軸性と混同しやすいです。
- 4. 正解。橈骨手根関節は楕円関節(顆状関節)の一種であり、横軸(左右軸)を中心とした掌屈・背屈、および前後軸を中心とした橈屈・尺屈の2つの運動が可能です。したがって、運動軸は2つです。正しくは:この選択肢は正しいです。選びやすい理由:特になし。正しい情報に基づいています。
- 5. 腕尺関節は蝶番関節の一種であり、横軸(左右軸)を中心とした屈曲・伸展運動のみが可能です。したがって、運動軸は1つです。正しくは:腕尺関節の運動軸は1つです。選びやすい理由:肘関節を構成する他の関節(腕橈関節、上橈尺関節)と混同して、より多くの動きを連想するかもしれませんが、腕尺関節単体では1軸性です。混同注意:肘関節全体の動きと、腕尺関節単独の動きを混同しやすいです。腕尺関節は純粋な蝶番運動を行います。
国試ポイント
関節の分類と運動軸の数を関連付けて理解しているかを問う問題です。特に、主要な関節の種類とそれに伴う運動軸の数を正確に把握している必要があります。1軸性、2軸性、多軸性の代表的な関節例を覚えることが重要です。
混同注意
各関節の種類(蝶番、車軸、楕円、球など)と、その関節で行われる運動の具体的な方向および軸の数を混同しやすいです。例えば、足首全体の複雑な動きと距関節単体の1軸性運動を誤認するなど、複合関節全体の動きと個々の関節の動きを区別する視点が求められます。
次に同じ論点が出たら
この論点が出た場合、まず『各選択肢の関節がどの種類の関節に分類されるか』を特定し、次に『その関節の種類が通常何軸性であるか』を判断します。特に、紛らわしい場合は関節で行われる具体的な運動を想起し、その運動を可能にする軸の数を数えるようにします。
関連知識
関節の分類(構造的分類と機能的分類)、関節の可動方向(屈曲・伸展、内転・外転、回旋など)、関節を構成する骨と靭帯の解剖学。代表的な関節の例として、球関節(肩甲上腕関節:多軸性)、蝶番関節(腕尺関節、指節間関節:1軸性)、車軸関節(上橈尺関節:1軸性)、楕円関節(橈骨手根関節:2軸性)、鞍関節(母指CM関節:2軸性)などが挙げられます。