作業分析の目標として適切でないのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第57回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
作業分析の主な目標は、特定の作業が持つ治療的価値を理解し、その作業を遂行するために必要な能力、および作業が実施される環境要因を詳細に把握することです。これにより、患者の現状と目標に合わせた治療プログラムを計画し、段階的に介入を進めることができます。選択肢3の「作業に使用する材料や道具の種類ごとに分類する」という行為は、作業の構成要素を理解するための一側面ではありますが、それ自体が作業分析の最終的な、あるいは上位の目標ではありません。これは作業の準備や情報整理の一部であり、より上位の目標(治療的理解、能力評価、環境評価、治療段階付けなど)に資する情報となります。したがって、直接的な目標としては不適切です。
選択肢ごとの解説
- 1. これは作業分析の主要な目的の一つです。作業の治療的要素や効果を理解するために行われます。正しくは:正しい目的であるため修正不要。選びやすい理由:作業分析の重要な目的の一つなので、正しい記述として選びやすいです。混同注意:作業の治療的応用と混同しやすいが、これは作業分析の明確な目的です。
- 2. 作業分析を通じて、クライエントの能力レベルや作業の難易度を評価し、治療の段階付けに役立てます。正しくは:正しい目的であるため修正不要。選びやすい理由:これも作業分析の非常に重要な目的であるため、正しい記述として選びやすいです。混同注意:治療計画の策定と混同しやすいが、作業分析はその基礎情報を提供します。
- 3. 正解。作業分析は、作業そのものの特性(物理的・心理的・社会的側面)や、その作業を遂行する際に求められる能力などを詳細に分析する手法です。材料や道具を単に種類別に分類することは、作業分析の直接的な目標ではなく、作業分析の一部分として情報を整理する行為にとどまります。作業分析のより上位の目標は、その作業が治療的にどう活用できるか、クライエントのどこに影響するかを理解することにあります。正しくは:「作業に使用する材料や道具の種類ごとに分類する」ことは、作業分析の『直接的な目標』というよりは、作業の『構成要素の理解』や『準備』の一部であり、その先の治療的活用に向けた手段の一つに過ぎません。作業分析の目標は、その作業が治療手段としてどのように機能するか、患者の能力向上にどう貢献するかといった、より本質的な側面の理解にあります。選びやすい理由:作業の構成要素を理解することは大切なので、一見正しそうに見えます。しかし、これは作業分析の『直接的な目標』ではなく、その一部または手段に過ぎません。混同注意:作業の構成要素を把握することと、作業分析の根本的な治療目標を混同しやすいです。
- 4. 作業分析は、特定の作業を遂行するために必要な身体的、認知的、精神的な能力を特定し、クライエントの現状と比較する重要な目的を持ちます。正しくは:正しい目的であるため修正不要。選びやすい理由:作業分析の主要な目的の一つであり、非常に正しい記述です。混同注意:患者評価と混同しやすいが、作業分析によって作業の要求度が明確になり、それが患者評価の基準となります。
- 5. 作業遂行に影響を与える物理的、社会的、文化的、制度的環境要因を理解することは、治療効果の最大化や適切な環境調整のために不可欠です。正しくは:正しい目的であるため修正不要。選びやすい理由:環境因子は作業遂行に大きく影響するため、これも作業分析の重要な目的として正しい記述です。混同注意:作業環境の評価と混同しやすいが、これは作業分析の一部として行われます。
国試ポイント
この問題は、作業療法士が行う「作業分析」の基本的な目的と、その具体的な内容を正しく理解しているかを問うものです。単に作業の構成要素を挙げることと、治療的な視点から作業を分析し、活用する目的を区別できるかがポイントとなります。治療手段の理解、患者能力の明確化、治療過程の段階付け、環境因子の把握が主要な目的であることを押さえる必要があります。
混同注意
作業の「構成要素の理解」と「作業分析の治療的目標」を混同しやすいです。材料や道具の分類は構成要素の理解の一部ですが、それ自体が分析の最終目標ではありません。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、作業分析の具体的な実施手順や、異なる作業モデルにおける作業分析の視点の違いについて問われる可能性があります。また、作業分析の結果をどのように治療計画に落とし込むか、といった応用的な内容も考えられます。
関連知識
作業療法における作業分析のフレームワーク(例:MOHO、PEOモデルなどにおける作業の視点)、作業の治療的効用、作業の構成要素(形式的要素、治療的要素など)、ICFの「活動と参加」「環境因子」の概念。