健常者の安静時呼吸について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
安静時呼気は、吸気筋の弛緩による肺の弾性収縮によって起こり、この時、肺内(気道内)の圧力が外気圧よりも高くなる(陽圧になる)ことで空気が自然と体外へ排出されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 健常成人の安静時呼吸数は通常12~20回/分程度であり、25回/分は頻呼吸に分類されます。正しくは:健常成人の安静時呼吸数は12~20回/分程度である。選びやすい理由:呼吸数という具体的な数字が提示されているため、知識が曖昧だと選びやすいかもしれません。混同注意:安静時呼吸数と、運動時や疾患時の呼吸数を混同する可能性があります。
- 2. 正解。呼気時は肺が収縮し、気道内の圧力が外気圧よりも高くなる(陽圧になる)ことで空気が排出されます。これは自然な物理現象です。選びやすい理由:圧力の概念は混乱しやすく、陰圧と混同されがちですが、呼気時は気道内圧が陽圧になることで空気は外へ押し出されます。
- 3. 安静時呼気時も、胸腔内圧は常に大気圧よりも低い陰圧です。吸気時に最も陰圧が強まり、呼気時に陰圧が弱まる(大気圧に近づく)ものの、陽圧にはなりません。正しくは:呼気時の胸腔内圧は陰圧である。選びやすい理由:気道内圧と胸腔内圧の概念が混同されやすく、呼気時の「排出」というイメージから陽圧を連想してしまうかもしれません。混同注意:気道内圧(空気の通り道)と胸腔内圧(肺を囲む空間)、吸気時と呼気時の圧力変化を混同する可能性があります。
- 4. 外肋間筋は吸気時に収縮し、胸郭を挙上・拡大させることで吸気を助ける筋肉です。安静時呼気は主に筋の収縮を伴わない弾性収縮で行われます。正しくは:吸気時に外肋間筋の収縮がみられる。選びやすい理由:呼吸筋の種類とその役割に関する知識が不確かな場合、どちらの段階で収縮するか混同しやすいです。混同注意:外肋間筋と内肋間筋の役割、吸気と呼気のメカニズムを混同する可能性があります。
- 5. 胸鎖乳突筋は、安静時呼吸では通常収縮しません。努力呼吸や深呼吸といった、より強い吸気が必要な場合に活動する補助呼吸筋です。安静時吸気は主に横隔膜の収縮によって行われます。正しくは:努力吸気時や深呼吸時に胸鎖乳突筋の収縮がみられる。選びやすい理由:胸鎖乳突筋が呼吸筋であることは事実なので、その活動のタイミングが問われていることに気づかないと選びやすいです。混同注意:主呼吸筋と補助呼吸筋の区別、安静時呼吸と努力呼吸のメカニズムを混同する可能性があります。
国試ポイント
この問題は、健常者の安静時呼吸における基本的な生理学的メカニズム、特に呼吸数、胸腔内圧と気道内圧の変化、および各呼吸筋の役割について正確な知識を問うものです。各選択肢で提示される数値や筋活動のタイミング、圧力の方向(陽圧・陰圧)を正確に理解しているかが鍵となります。
混同注意
胸腔内圧と気道内圧の混同、吸気と呼気の筋活動の混同、安静時呼吸と努力呼吸の筋活動の混同がよく見られます。特に圧力の陰圧/陽圧の概念は理解が曖昧になりやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、安静時と努力時の呼吸メカニズムの違い、主呼吸筋と補助呼吸筋、呼吸に関連する各部位の圧力変化(肺内圧、胸腔内圧、腹腔内圧など)の相対的な関係性、さらには呼吸不全患者の呼吸様式との比較などが問われる可能性があります。
関連知識
肺のメカニクス、呼吸筋の解剖と生理、ボイルの法則、呼吸中枢による調節、肺気量・肺活量。