Eriksonによる発達段階で老年期に獲得すべき課題はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
エリクソンが提唱した発達段階理論では、人生を8つの段階に分け、それぞれの段階で特定の心理社会的課題を解決することが次の段階への健全な移行に繋がると考えられています。老年期(第8段階)の課題は「自己統合 対 絶望」であり、これまでの人生を肯定的に受け入れ、意味を見出す「統合」の感覚を獲得することが重要とされます。
選択肢ごとの解説
- 1. 親密さは青年期後期から成人期初期(約18〜35歳)の課題であり、老年期の課題ではありません。正しくは:老年期の課題は「統合」です。選びやすい理由:人生の様々な時期に人間関係は重要であるため、親密さも老年期に関連するように感じるかもしれませんが、エリクソンの理論では特定の段階に割り当てられています。混同注意:「統合」と「親密さ」は異なる発達段階の課題です。親密さは他者との深い関係性を築くこと、統合は自己の人生全体を受け入れることです。
- 2. 正解。エリクソンの発達段階理論において、老年期(約65歳以降)の心理社会的課題は「自己統合 対 絶望」です。この段階では、これまでの人生を振り返り、その全体を受け入れて肯定的に捉える「統合」の感覚を獲得することが目標とされます。
- 3. 勤勉さは児童期(約6〜12歳)の課題であり、老年期の課題ではありません。正しくは:老年期の課題は「統合」です。選びやすい理由:勤労は生涯にわたる活動であり、老年期にも何らかの形で活動的であることは多いですが、エリクソンの理論における「勤勉さ」の課題は、学業や社会活動を通して能力を習得する児童期のものです。混同注意:「統合」と「勤勉さ」は異なる発達段階の課題です。勤勉さはスキル習得と有能感に関連し、統合は人生の総括と受容に関連します。
- 4. 自律性は幼児期前期(約1〜3歳)の課題であり、老年期の課題ではありません。正しくは:老年期の課題は「統合」です。選びやすい理由:老年期においても自己決定や独立性の維持は重要ですが、エリクソンの理論における「自律性」の課題は、排泄の自律や自己主導性に関わる幼児期のものです。混同注意:「統合」と「自律性」は異なる発達段階の課題です。自律性は自己のコントロールと独立性に関連し、統合は人生の総括と受容に関連します。
- 5. 同一性(アイデンティティ)は青年期(約12〜18歳)の課題であり、老年期の課題ではありません。正しくは:老年期の課題は「統合」です。選びやすい理由:自己を再評価する機会は人生の各段階でありますが、エリクソンの理論における「同一性」の確立は、自己の役割や価値観を見出す青年期に強く関連しています。混同注意:「統合」と「同一性」は異なる発達段階の課題です。同一性は自己の確立と役割の認識に関連し、統合は人生の総括と受容に関連します。
国試ポイント
エリクソンの発達段階理論における各段階の心理社会的課題と、それぞれの段階で達成されるべき徳(強さ)を正確に理解しているかが問われています。特に、誤解しやすい課題や隣接する段階の課題との区別が重要です。
混同注意
各発達段階の課題(例:乳児期の信頼、幼児期の自律、児童期の勤勉、青年期の同一性、成人期初期の親密、成人期中期の生殖性、老年期の統合)が混同されやすいです。特に、ライフステージ全般で重要に思える概念(親密さや自律性など)が、エリクソンの理論では特定の段階に強く結びついている点を理解することが重要です。
次に同じ論点が出たら
今後エリクソンの発達段階に関する問題が出題された場合、他の発達段階の課題や、それぞれの課題を克服することで得られる「徳」(強さ)について問われる可能性があります。また、具体的な事例と結びつけて、どの段階の課題に直面しているかを判断させる問題形式も想定されます。
関連知識
エリクソンの発達段階理論の8つの段階、各段階の課題(危機)、課題達成による徳(強さ)、および課題不達成による不適応。フロイトの精神分析理論における性的発達段階との比較。