模擬場面でのリハーサルを技法として用いるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
認知行動療法では、患者が直面するであろう困難な状況を想定し、その場面での具体的な行動や対処法を練習する「行動リハーサル」という技法を頻繁に用います。これは、実際の状況に備え、不安を軽減し、新しいスキルを習得するために非常に有効です。他の選択肢の療法は、それぞれ異なる目的や技法を持ち、リハーサルを主要な技法とはしません。
選択肢ごとの解説
- 1. 内観療法は、過去の経験を振り返り、他者への感謝や自己中心性を自覚することに焦点を当てます。リハーサルは主要な技法ではありません。正しくは:内観療法は、身近な人間関係(母、父、お世話になった人)について、してもらったこと、して返したこと、迷惑をかけたことを期間を区切って調べます。選びやすい理由:精神療法全般が選択肢として並んでいるため、迷う可能性があります。混同注意:森田療法と混同しやすいですが、森田療法は『あるがまま』を受け入れることを重視し、内観療法は過去の自分と他者との関係を内省する点が異なります。
- 2. 箱庭療法は、言葉にできない感情や体験を箱庭の中のミニチュアを使って表現することで、自己治癒力を引き出す心理療法です。リハーサルを直接的な技法としては用いません。正しくは:箱庭療法は、砂の入った箱の中に様々なミニチュアを配置することで、クライエントの無意識の世界を表現し、自己理解を深めることを目指します。選びやすい理由:非言語的なアプローチの一つとして、精神療法に関心がある場合に選択肢として考えてしまうかもしれません。混同注意:表現療法全般と混同しやすいですが、特に描画療法や遊戯療法とは表現媒体が異なります。
- 3. 森田療法は、不安や症状を『あるがまま』として受け入れ、行動を変化させることを重視します。リハーサルを直接的な主要技法とはしません。正しくは:森田療法は、症状を排除しようとせず、不安を抱えながらも建設的な行動を実践する『あるがまま』の姿勢を養うことを目的とします。選びやすい理由:行動の変化を促すという点で、認知行動療法と混同する可能性があります。混同注意:内観療法と混同しやすいですが、内観療法が過去の内省を重視するのに対し、森田療法は今の行動とあるがままの受容を重視します。
- 4. 正解。認知行動療法では、困難な状況に直面する前に、その状況での振る舞いや対処法を練習する『行動リハーサル』がよく用いられます。これは、予期される状況での不安を軽減し、より適切な行動を習得するために有効な技法です。正しくは:認知行動療法は、不適応な認知や行動パターンを特定し、それらをより現実的かつ適応的なものへと修正していくことを目指します。行動リハーサルはその実践的な技法の一つです。
- 5. 支持的精神療法は、患者の自尊心を高め、安心感を与え、困難に対処できるよう心理的なサポートを提供することを目的とします。具体的な行動のリハーサルは主要な技法ではありません。正しくは:支持的精神療法は、共感的に耳を傾け、肯定的なフィードバックを与え、患者の強みを強調することで、情緒的な安定を促進し、適応能力を高めます。選びやすい理由:多くの精神疾患の治療において用いられるため、幅広い適応を想像して選択してしまうかもしれません。混同注意:どの精神療法にも支持的な要素は含まれますが、支持的精神療法はそれ自体が独立した治療法として認識されています。
国試ポイント
精神科リハビリテーションにおける様々な治療アプローチの基本技法について、具体的な理解を問う問題です。各療法の名称と主要な技法を結びつけて記憶しているかが試されます。
混同注意
認知行動療法と行動療法、また精神分析療法などの他の精神療法と、それぞれの主要技法が混同されやすいです。
次に同じ論点が出たら
この問題で認知行動療法のリハーサル技法を理解できた場合、次は認知行動療法の他の主要な技法(例:認知再構成、曝露)や、他の精神療法(例:精神分析、家族療法)の主な技法について問われる可能性が高いです。また、特定の疾患(例:うつ病、不安障害)に対して、どの精神療法が第一選択となるか、といった応用問題も考えられます。
関連知識
認知行動療法における他の技法(認知再構成法、曝露療法、弁証法的行動療法など)、内観療法や森田療法の具体的進め方、箱庭療法やその他の表現療法の適応と限界、支持的精神療法の対象疾患や役割。