運動単位について誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
神経支配比とは、1つの運動ニューロンが支配する筋線維の数のことです。微細な運動を要求される筋肉(例:外眼筋、虫様筋、指の筋肉)は、1つの運動ニューロンが支配する筋線維の数が少なく(神経支配比が小さい)、精緻な制御が可能です。対照的に、大きな力を発揮する筋肉(例:上腕二頭筋、大腿四頭筋)は、1つの運動ニューロンが支配する筋線維の数が多く(神経支配比が大きい)、効率的に大きな筋力を生み出します。したがって、上腕二頭筋の方が虫様筋よりも神経支配比は大きい、または虫様筋の方が上腕二頭筋よりも神経支配比は小さい、が正しいです。
選択肢ごとの解説
- 1. この記述は運動単位の定義として正しいです。正しくは:記述は正しいので修正不要です。選びやすい理由:正しい内容なので、誤りを探す問題では選択肢から外すべきです。混同注意:運動単位の基本的な定義を問う内容であり、これ自体が混同されることは少ないですが、他の関連概念と混同される可能性はあります。
- 2. この記述は正しいです。一つの筋肉は、複数の運動単位が活動することで多様な収縮力を生み出します。正しくは:記述は正しいので修正不要です。選びやすい理由:正しい内容なので、誤りを探す問題では選択肢から外すべきです。混同注意:筋肉と運動単位の関係性を理解していれば、混同することはありません。
- 3. この記述は神経支配比の定義として正しいです。正しくは:記述は正しいので修正不要です。選びやすい理由:正しい内容なので、誤りを探す問題では選択肢から外すべきです。混同注意:神経支配比の概念を正しく理解していれば、混同することはありません。
- 4. 正解。この記述は誤りです。虫様筋のような微細な運動を担う筋肉(眼筋、手指の筋肉など)は、少ない筋線維を少数の運動ニューロンが支配しており、神経支配比は小さい(1運動ニューロンあたりの筋線維数が少ない)です。一方、上腕二頭筋のような大きな力を発揮する筋肉は、多数の筋線維を1つの運動ニューロンが支配しており、神経支配比は大きい(1運動ニューロンあたりの筋線維数が多い)です。したがって、『上腕二頭筋より虫様筋の方が神経支配比は小さい』が正しい表現となります。正しくは:「上腕二頭筋と比較すると、虫様筋の方が神経支配比は小さいとされています。」が正しいです。選びやすい理由:神経支配比がどのような筋肉で高いか低いかという知識が曖昧だと、正誤を判断しにくいかもしれません。虫様筋が手指の細かい動きに関わるため、高い神経密度や支配効率を想像して、神経支配比も高いと誤解する可能性があります。混同注意:神経支配比と神経密度(単位体積あたりの神経線維の数)や運動単位の大きさ(小さい運動単位が多いこと)を混同しやすいです。微細運動筋は『小さい運動単位』が多く『神経支配比は小さい』です。
- 5. この記述は正しいです。最大筋力発揮時には、全ての運動単位が最大の頻度で同期して発火することで、最も強い筋収縮が生じます。正しくは:記述は正しいので修正不要です。選びやすい理由:正しい内容なので、誤りを探す問題では選択肢から外すべきです。混同注意:運動単位のリクルートメントやレートコーディングと混同する可能性がありますが、最大収縮時は両方が最大限に活動すると理解していれば問題ありません。
国試ポイント
運動単位の基本的な定義、神経支配比の概念、そして身体の部位(微細運動を担う筋肉と粗大運動を担う筋肉)による神経支配比の違いを正確に理解しているかを問う問題です。特に、神経支配比が大きい/小さいの意味とその具体例の知識が重要となります。
混同注意
神経支配比の大小と、筋肉の微細な制御能力、あるいは運動単位のリクルートメント順序との関係性を混同しやすいです。微細運動筋は『小さい運動単位』が多く、神経支配比は小さいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、神経支配比だけでなく、運動単位の閾値(活動電位発生に必要な刺激量)や、筋の活動電位と筋力の関係性、さらには運動単位の動員(リクルートメント)順序(サイズの原理)といった関連概念まで深く理解しているかが問われる可能性があります。
関連知識
運動単位のリクルートメント(サイズの原理)、レートコーディング(発火頻度)、筋紡錘・ゴルジ腱器官といった固有受容感覚器の役割、筋収縮のメカニズム(アクチン・ミオシン滑走説)。