運動単位について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
神経支配比とは、1つの運動ニューロンが支配する筋線維の数を指します。神経支配比が小さいということは、1つの運動ニューロンが支配する筋線維が少ないことを意味し、これにより個々の筋線維をより細かく制御できるため、精密な動作が可能になります。例えば、眼球運動を司る外眼筋は神経支配比が非常に小さく、指先の細かい動きを制御する手内在筋も神経支配比が小さいことが特徴です。
選択肢ごとの解説
- 1. 運動単位は、1つのα運動ニューロンとそのニューロンが支配する複数の筋線維から構成されるものであり、求心性線維(感覚線維)は含まれません。求心性線維は感覚情報を中枢に伝えるもので、運動単位の一部ではありません。正しくは:運動単位の中には遠心性線維(α運動ニューロン)と、それが支配する筋線維が含まれます。選びやすい理由:神経系の構成要素として求心性線維も重要なため、運動に関わるものとして含めて考えてしまう可能性がある。混同注意:神経系の全体像や反射弓の構成要素と、運動単位の定義が混同されやすい。運動単位は『運動』に特化した単位である。
- 2. 1つの筋肉は、複数の運動単位によって構成されています。筋肉の収縮力を調整するために、複数の運動単位が協調して動員されたり、動員される運動単位の数を変化させたりします。正しくは:1つの筋肉は、複数の運動単位によって構成されています。選びやすい理由:運動単位という言葉から、筋肉全体が1つの単位で動くと誤解する可能性がある。混同注意:運動単位の概念と、筋肉全体の構造が混同されやすい。運動単位は筋肉の機能的な最小単位であり、筋肉全体を構成するものではない。
- 3. 正解。神経支配比が小さいほど、1つの運動ニューロンが支配する筋線維の数が少ないため、個々の筋線維をより細かく制御できます。これにより、指の動きや眼球運動のような精密な動作が可能になります。選びやすい理由:正しい選択肢であるため、特に誘惑されにくい。
- 4. 随意運動を行う際には、サイズの原理(ヘンネマンの原理)に従い、まず小さい運動単位(主に遅筋線維を支配)が活動を開始し、必要な筋力に応じて次第に大きな運動単位(主に速筋線維を支配)が動員されます。これは効率的な筋活動と疲労耐性の観点から理にかなっています。正しくは:随意運動を行う際、活動を始めるのは小さな運動単位が先行します。選びやすい理由:大きな力を出すためには大きな運動単位が重要であるため、最初に活動すると誤解しやすい。混同注意:筋力の強さと、運動単位の動員順序が混同されやすい。最大筋力発揮時は大きな運動単位が動員されるが、開始時は小さい単位からである。
- 5. 伸張反射において、弱い刺激で活動を始めるのは遅筋(タイプI線維)を支配する小さな運動単位です。遅筋線維は閾値が低く、疲労しにくいため、姿勢維持など持続的な活動に関与します。速筋(タイプII線維)はより強い刺激で動員され、瞬間的な大きな力発揮に関与します。正しくは:伸張反射において、弱い刺激で活動を始めるのは遅筋です。選びやすい理由:速筋の方が素早い反応をするイメージがあるため、反射と結びつけてしまいやすい。混同注意:速筋と遅筋の特性、および運動単位の動員順序が混同されやすい。反射においてもサイズの原理が適用される。
国試ポイント
運動単位の定義、神経支配比と動作の精密さの関係、運動単位動員様式(サイズの原理)、筋線維の種類と反射の関連性を理解する。
混同注意
神経支配比の大小と動作の精密さの関係は、しばしば「神経支配比が大きいほど強力な運動ができる」という知識と混同しやすい。精密動作には神経支配比の小ささが重要であり、粗大な運動や強い収縮には大きな神経支配比の運動単位が関与する。
次に同じ論点が出たら
運動単位に関する問題が出た場合、神経支配比と動作の精密さ、運動単位の動員順序(サイズの原理)、運動単位に含まれる要素(遠心性線維のみ)、反射における筋線維の役割に注目して判断する。
関連知識
運動単位のサイズの原理(ヘンネマンの原理): 随意運動の開始時には、まず小さい運動単位(遅筋線維)が動員され、必要な筋力に応じて次第に大きな運動単位(速筋線維)が動員される。これは疲労しにくい遅筋から先に活動することで効率的に筋活動を行うためである。伸張反射では、筋紡錘からの情報が脊髄で直接α運動ニューロンに伝達され、同名筋を収縮させる単シナプス反射である。