交感神経で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第61回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
交感神経と副交感神経のどちらにおいても、神経節(あるいは副腎髄質)に至る節前線維の末端からは、神経伝達物質としてアセチルコリンが放出されます。これは自律神経系の伝達における基本的なルールです。その後、交感神経の節後線維の末端からはノルアドレナリンが放出されるのが一般的ですが、汗腺支配など一部の例外ではアセチルコリンが放出されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 排尿筋の収縮は副交感神経の働きにより促進されます。交感神経は排尿筋を弛緩させ、内尿道括約筋を収縮させることで排尿を抑制します。正しくは:排尿筋が弛緩する(あるいは、内尿道括約筋が収縮する)。選びやすい理由:自律神経の作用は複雑で、臓器ごとに異なるため、記憶が曖昧だと誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:副交感神経による膀胱収縮と混同しやすいです。
- 2. グリコーゲン合成の促進は主にインスリンによって行われ、副交感神経活動によっても促進されることがあります。交感神経はむしろグリコーゲン分解を促進し、血糖値を上昇させます。正しくは:グリコーゲンの分解が促進される。選びやすい理由:代謝に関わる神経作用は多岐にわたるため、一見すると正しそうに思えるかもしれません。混同注意:交感神経によるエネルギー消費促進と、分解・合成の方向性を混同しやすいです。
- 3. 交感神経の節前線維は、第1胸髄から第2腰髄(T1-L2)の側角から出て前根を通り、脊髄神経に合流します。後根は感覚神経が通る部位です。正しくは:第1胸髄から第2腰髄の側角から出て前根を通る。選びやすい理由:T1-L2という部位は正しいものの、「後根」という言葉に惑わされやすいです。混同注意:脊髄からの神経根の出方(前根は運動・後根は感覚)と、交感神経節前線維の経路を混同しやすいです。
- 4. 副腎髄質は、交感神経の節前線維(コリン作動性)から直接支配を受け、血液中にカテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)を放出します。これは節後線維が介在しない特殊な例です。正しくは:副腎髄質は、節前線維からの直接支配を受ける。選びやすい理由:多くの交感神経は節後線維を介するため、その一般論に当てはめようとして誤ってしまう可能性があります。混同注意:一般的な交感神経の伝達経路(節前線維→神経節→節後線維)と、副腎髄質の特殊な支配経路を混同しやすいです。
- 5. 正解。交感神経系、および副交感神経系において、すべての節前線維の神経終末からはアセチルコリンが神経伝達物質として放出されます。これは自律神経系の基本的な伝達様式です。正しくは:この記述は正しいです。
国試ポイント
自律神経系の基本的な解剖生理学、特に神経伝達物質の種類と放出部位、各臓器への作用、および主要な例外(副腎髄質、汗腺など)について理解しているかを問う問題です。神経経路の名称(前根・後根)の正確な知識も必要とされます。
混同注意
交感神経と副交感神経の作用の混同、節前線維と節後線維の神経伝達物質の混同、一般的な神経経路と特殊な経路(副腎髄質)の混同が起こりやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、各臓器における交感・副交感神経の具体的な作用、あるいは各種受容体と薬物の関係性を問う問題が出題される可能性があります。
関連知識
自律神経系の神経伝達物質(アセチルコリン、ノルアドレナリン、アドレナリン)、受容体(ニコチン性、ムスカリン性、α、β)、各臓器への交感神経・副交感神経の作用、脊髄からの神経線維の経路(前根、後根)。