正常歩行について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
正常歩行の1歩行周期では、足関節は踵接地後の底屈→立脚中期~終期の背屈→前遊脚期の底屈→遊脚期の背屈と、背屈と底屈が2回ずつ生じます(公式正答1)。股関節は伸展と屈曲が1回ずつ、膝関節は荷重応答期と遊脚期に屈曲が起こるため屈曲と伸展が2回ずつ生じます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。足関節は1歩行周期のうちに、踵接地直後の底屈、立脚中期~終期の背屈、前遊脚期の底屈、遊脚期の背屈と、背屈と底屈が2回ずつ生じます。
- 2. 股関節は立脚期に伸展し、遊脚期に屈曲するため、1歩行周期に伸展と屈曲は1回ずつです。正しくは:股関節は、歩行の一周期において、主に立脚相で伸展し、遊脚相で屈曲します。選びやすい理由:股関節も主要な関節運動として伸展と屈曲を行うため、他の関節と同様に1回ずつという表現が正しいように感じられるかもしれません。混同注意:膝関節の屈曲・伸展回数と混同しやすいかもしれません。
- 3. 膝関節は荷重応答期の軽度屈曲と遊脚期の屈曲があり、1歩行周期に屈曲と伸展が2回ずつ生じます。正しくは:膝関節は、歩行の一周期において、伸展と屈曲を複数回繰り返します。選びやすい理由:主要な関節運動として伸展と屈曲があるため、足関節や股関節と同様に1回ずつと誤解しやすいです。混同注意:足関節の運動回数と混同しやすいです。
- 4. 正常歩行において、片側下肢の立脚相と遊脚相の割合は約6:4です。両脚支持期を含めると、立脚相は歩行周期の約60%(6割)を占め、遊脚相は約40%(4割)を占めます。7:3は過大評価です。正しくは:一側下肢の立脚相と遊脚相の割合は約6:4です。選びやすい理由:数値なので覚え間違いやすいですが、一般的な歩行周期の割合として、何となく正しいように感じるかもしれません。混同注意:両脚支持期と片脚支持期の割合や、歩行周期における立脚期の正確な割合と混同しやすいです。
- 5. 高齢者では、バランス能力の低下や筋力低下、関節可動域の制限などにより、歩行速度が低下し、それに伴い歩行率(ケイデンス、1分間あたりの歩数)も減少するのが一般的です。歩幅も短縮します。正しくは:高齢者では歩行率が減少します。選びやすい理由:「高齢者=歩行機能の低下」というイメージから、歩行率が低下すると考えるのが自然ですが、問題文の「歩行比」と「歩行率」という言葉を混同しやすい可能性があります。混同注意:歩行率と歩行速度、あるいは歩行比(歩幅と足底幅の比率)といった異なる概念と混同しやすいです。ここでは「歩行比」が「歩行率(cadence)」と解釈されている可能性があり、その場合は高齢者で減少します。
国試ポイント
正常歩行における各関節の運動タイミングと回数、および歩行周期の各相の割合、加齢に伴う歩行の変化を正確に理解しているかを問う問題です。特に、関節運動の回数に関する知識は混同しやすいため注意が必要です。
混同注意
各関節(足関節、膝関節、股関節)の屈曲・伸展が歩行周期中に何回生じるかについて、誤って記憶しやすい点。また、立脚相と遊脚相の正確な割合や、高齢者の歩行特性(歩行率、歩幅など)に関する知識も混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後この論点が出題された場合、選択肢のどこを読めば正誤判断がつくか、を以下に示します。1.「足関節」「背屈と底屈」「1回ずつ」2.「股関節」「伸展と屈曲」「1回ずつ」3.「膝関節」「伸展と屈曲」「1回ずつ」4.「立脚相と遊脚相の割合」「7:3」5.「高齢者」「歩行比(率)」「大きくなる(上昇)」これらのキーワードがポイントになります。
関連知識
正常歩行周期の各相(イニシャルコンタクト、ローディングレスポンス、ミッドスタンス、ターミナルスタンス、プレースイング、イニシャルスイング、ミッドスイング、ターミナルスイング)での各関節の運動、二重支持期と単脚支持期の時間割合、歩行の測定指標(歩行率、歩行速度、歩幅、ケイデンスなど)。