関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)の運動方向と移動軸の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
股関節外転の可動域測定では、大腿骨大転子を固定軸とし、上前腸骨棘と膝蓋骨中央を結ぶ線(大腿骨中央線)を移動軸として用います。これは日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会基準に明記されている正しい組み合わせです。
選択肢ごとの解説
- 1. 股関節屈曲の移動軸は、大転子を基点とし、大腿骨外側上顆を通る大腿骨外側線です。下腿中央線ではありません。正しくは:股関節屈曲の移動軸は、大腿骨外側線です。選びやすい理由:下肢の測定に関連する言葉のため、混同しやすいかもしれません。混同注意:膝関節や足関節の測定軸
- 2. 股関節内旋の移動軸は、膝蓋骨中央と第2中足骨を結ぶ線です。単に「大腿骨」とするのは不正確です。正しくは:股関節内旋の移動軸は、膝蓋骨中央と第2中足骨を結ぶ線です。選びやすい理由:股関節の動きなので大腿骨が関係すると考えてしまいがちですが、移動軸の指定はより詳細です。混同注意:上腕骨や前腕骨など、他の部位の骨そのものが移動軸になるケース
- 3. 正解。股関節外転の移動軸は、上前腸骨棘から膝蓋骨中央を通る大腿骨中央線であり、これは日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会基準に合致しています。正しくは:この選択肢は正しいです。
- 4. 膝関節屈曲の移動軸は、外くるぶしと腓骨頭を結ぶ線の中点から、第5中足骨頭に向かう線です。単に「脛骨」とするのは不正確です。正しくは:膝関節屈曲の移動軸は、外くるぶしと腓骨頭を結ぶ線の中点から、第5中足骨頭に向かう線です。選びやすい理由:膝関節の動きに脛骨が深く関わるため、関連性が高いと思ってしまいがちですが、移動軸の表現としては不十分です。混同注意:大腿骨や上腕骨など、単一の骨が測定軸の一部になるケース
- 5. 足関節底屈の移動軸は、外くるぶしと第5中足骨頭を結ぶ線です。第1中足骨ではありません。正しくは:足関節底屈の移動軸は、外くるぶしと第5中足骨頭を結ぶ線です。選びやすい理由:足部の動きに関連する骨であり、親指側というイメージで選びやすいかもしれません。混同注意:第5中足骨や他の足部骨の測定基準
国試ポイント
この問題は、日本整形外科学会と日本リハビリテーション医学会が定めている関節可動域測定法における、各関節の正しい運動方向と移動軸の組み合わせを問うものです。特に、下肢の主要な関節(股関節、膝関節、足関節)の測定基準は頻出であり、正確な知識が求められます。各関節の測定肢位、固定軸、移動軸を混同せずに覚えているかがポイントです。
混同注意
各関節の可動域測定における固定軸と移動軸、そしてその基準が非常に似ているため、混乱しやすいです。特に、『大腿骨中央線』や『下腿中央線』といった表現が、複数の関節で異なる意味合いで使われたり、特定の運動方向に対してのみ用いられたりするため、正確な知識がないと誤りやすいです。また、特定の骨の名前だけが移動軸として提示された場合に、その骨が全く関係ないわけではないため、曖昧な知識だと間違いにつながります。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、他の関節(肩関節、肘関節、手関節など)のROM測定基準、特に固定軸と移動軸の組み合わせが問われる可能性が高いです。また、測定時の患者の肢位や、正確な角度測定のためのポイントについても理解しているかを確認しましょう。
関連知識
日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会基準によるROM測定法全般(測定肢位、固定軸、移動軸、最終域の判断など)、各関節の解剖学的構造と運動学、触診による骨指標の同定