即時記憶と関連があるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第58回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
即時記憶とは、ごく短い時間(数秒程度)だけ情報を心の中に保持する能力を指します。選択肢1の「数字の順唱」は、提示された数字を聴覚的に記憶し、すぐに(即座に)反復するという典型的な即時記憶の評価方法です。他の選択肢は、遠隔記憶、エピソード記憶、近時記憶、または数分の遅延を伴う短期記憶の評価に該当し、即時記憶とは異なります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。数字の順唱(digit span)は、聴覚的に提示された短い情報を瞬間的に保持し、すぐに再生する能力を評価するもので、即時記憶(immediate memory)の典型的な評価方法です。数秒以内の保持と再生が特徴です。
- 2. 過去の社会的な出来事を思い出すのは、遠隔記憶(remote memory)や意味記憶(semantic memory)の評価に該当します。即時記憶とは時間軸が大きく異なります。正しくは:これは長期記憶の一種である遠隔記憶や意味記憶を評価するものです。選びやすい理由:記憶の一部ではありますが、保持期間が「即時」とはかけ離れているため、誤りです。混同注意:遠隔記憶、意味記憶、長期記憶
- 3. 自身の結婚時の年齢は、個人的な過去の出来事に関する記憶であり、エピソード記憶(episodic memory)の一種で、長期記憶(long-term memory)に分類されます。即時的な情報保持ではありません。正しくは:これは長期記憶の一種であるエピソード記憶を評価するものです。選びやすい理由:過去の事実を問うため、記憶力とは関連しますが、保持期間が「即時」ではありません。混同注意:エピソード記憶、自伝的記憶、長期記憶
- 4. 昨晩の夕食の内容を思い出すのは、比較的最近の出来事に関する記憶であり、近時記憶(recent memory)やエピソード記憶に該当します。これも長期記憶の一部であり、即時記憶ではありません。正しくは:これは長期記憶の一種である近時記憶やエピソード記憶を評価するものです。選びやすい理由:「最近のこと」なので即時記憶と混同しやすいかもしれませんが、数秒以内ではないため誤りです。混同注意:近時記憶、エピソード記憶、短期記憶(広義)、長期記憶
- 5. 一度記憶させた単語を数分後に思い出させるのは、遅延再生(delayed recall)の評価であり、短期記憶(short-term memory)や言語性記憶(verbal memory)の側面を測るものです。即時記憶(数秒以内)とは異なる保持期間を要します。正しくは:これは短期記憶や遅延再生能力を評価するものです。選びやすい理由:「記憶させた」という言葉から即時記憶と関連があるように思えますが、間に3分という遅延があるため誤りです。混同注意:短期記憶、遅延再生、作動記憶
国試ポイント
この問題は、記憶の分類(即時記憶、短期記憶、長期記憶など)と、それぞれの記憶の種類を評価するための具体的な方法に関する知識を問うています。特に、即時記憶と短期記憶、近時記憶の違いを明確に理解しているかがポイントです。
混同注意
即時記憶と短期記憶、作動記憶は混同されやすい概念です。即時記憶はごく短時間の受動的な情報保持、短期記憶はそれよりもやや長い時間(数十秒程度)の保持、作動記憶は情報を保持しながら操作する能力を指します。また、近時記憶(数分〜数日の記憶)や遠隔記憶(数年前〜数十年前の記憶)といった長期記憶との区別も重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、評価しようとしている『記憶の期間』と『記憶の種類(情報の内容)』に着目して、選択肢がどの記憶機能を評価しているのかを判断することが重要になります。例えば、『5分後の再生』であれば短期記憶や遅延再生、『過去の出来事』であれば長期記憶といった具体的な時間軸や情報の内容で区別します。
関連知識
記憶の分類(感覚記憶、即時記憶、短期記憶、作動記憶、長期記憶)、長期記憶の分類(エピソード記憶、意味記憶、手続き記憶)、代表的な記憶検査(ミニメンタルステート検査-MMSE、長谷川式簡易知能評価スケール-HDS-R、リバーミード行動記憶検査などにおける各記憶項目の評価内容)。