介護保険法に基づく介護サービスにおいて、作業療法士の配置が明記されているのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・5番
解説
介護保険制度において、作業療法士の配置が明確に義務付けられているのは、主にリハビリテーションを主たるサービスとする事業所です。介護老人保健施設は、在宅復帰支援のための集中的なリハビリテーションを提供する施設であり、通所リハビリテーションは、医療機関や介護老人保健施設、介護医療院などが提供する外来型のリハビリテーションサービスです。これらのサービスでは、専門職による質の高いリハビリテーションを提供するため、作業療法士の配置が人員基準で定められています。
選択肢ごとの解説
- 1. 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)では、主に介護職員や計画作成担当者の配置が義務付けられており、作業療法士の常勤配置は基準として明記されていません。正しくは:認知症対応型共同生活介護では、必要に応じて外部の訪問リハビリテーション等を利用して作業療法が提供されることはありますが、施設内の常勤配置義務はありません。選びやすい理由:認知症高齢者の生活機能維持・向上に作業療法が有効であるため、配置されていると誤解しやすいです。混同注意:認知症対応型の施設であればリハビリ専門職がいるはず、という一般的なイメージと混同しやすいでしょう。
- 2. 正解。介護老人保健施設は、在宅復帰を目的としたリハビリテーションを提供する施設であり、人員基準において作業療法士の配置が義務付けられています。
- 3. 地域密着型通所介護では、生活相談員、看護職員、介護職員、機能訓練指導員などの配置が求められますが、作業療法士の配置は必須ではありません。機能訓練指導員は看護職員、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師など幅広い資格者が担当できます。正しくは:地域密着型通所介護において機能訓練指導員として作業療法士が配置されることはありますが、必ずしも作業療法士である必要はありません。選びやすい理由:機能訓練を提供する施設であるため、作業療法士が常駐していると錯覚しやすいです。混同注意:通所リハビリテーションと混同しやすいですが、通所介護は生活支援が主目的であり、リハビリテーション専門職の常勤配置義務はありません。
- 4. 特別養護老人ホームでは、生活相談員、看護職員、介護職員、機能訓練指導員などの配置が求められますが、作業療法士の常勤配置は義務付けられていません。機能訓練指導員は理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員等の中から配置されます。正しくは:特別養護老人ホームにおいて機能訓練指導員として作業療法士が配置されることはありますが、必ずしも作業療法士である必要はありません。選びやすい理由:重度な利用者が多いため、リハビリ専門職が必要不可欠だと感じ、配置されていると誤解しやすいです。混同注意:介護老人保健施設や通所リハビリテーションといったリハビリ専門施設と混同しやすいでしょう。
- 5. 正解。通所リハビリテーションは、リハビリテーション専門サービスであり、人員基準において作業療法士の配置が義務付けられています。
国試ポイント
介護保険制度における各サービスの種類と、その人員配置基準、特に作業療法士の専門性を必要とするサービスが問われています。介護サービスは多岐にわたるため、OTの直接的な配置義務の有無を正確に理解しておくことが重要です。機能訓練指導員とリハビリ専門職の配置義務の違いもポイントとなります。
混同注意
「機能訓練指導員」の配置が義務付けられている施設(特別養護老人ホーム、地域密着型通所介護など)と、作業療法士が「専門職」として配置が義務付けられている施設との混同に注意が必要です。機能訓練指導員はOT以外(PT, ST, 看護師など)でも務まるため、必ずしもOTの配置が必須ではありません。また、リハビリテーションの必要性があるかどうかと、OTの配置義務の有無は別問題である点も混同しやすいでしょう。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合、サービス種別と、OTだけでなくPT、STの配置義務についても確認する視点が求められます。また、機能訓練指導員としてOTが配置され得るが、必須ではないサービスと、OTが専門職として必須のサービスとの区別を問われる可能性があります。
関連知識
介護保険法における施設・サービスの類型(施設サービス、居宅サービス、地域密着型サービスなど)、それぞれのサービスの人員・設備・運営基準について理解しておく必要があります。特にリハビリテーション関連の加算要件も関連知識となります。