国際疾病分類ICD-10について正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・5番
解説
ICD-10はWHOが作成した国際的な疾病分類であり、死因統計を含む各国の保健統計の基準として利用されています。選択肢1と5がICD-10の正確な説明です。選択肢2と3はICF(国際生活機能分類)の特徴であり、選択肢4はICD-10の対象範囲を誤って限定しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。ICDは、疾病および関連保健問題の国際統計分類であり、世界保健機関(WHO)が作成・管理しています。これはICDの基本的な事実です。
- 2. ICD-10は疾病の分類であり、障害の段階的な構造を示すものではありません。障害の構造を示すのはICF(国際生活機能分類)です。正しくは:障害の段階的な構造を示すのはICFである。選びやすい理由:国際的な分類であり、疾病と関連する概念として障害も含まれるため、関連しているように感じられるかもしれない。混同注意:ICF(国際生活機能分類)と混同しやすい。ICFは「生活機能と障害」を分類するのに対し、ICDは「疾病」を分類する。
- 3. ICD-10は疾病の分類であり、生活機能モデルを基礎としているわけではありません。生活機能モデルを基礎とするのはICFです。正しくは:生活機能モデルを基礎とした分類体系はICFである。選びやすい理由:WHOが作成する別の分類であるICFが生活機能モデルに基づいているため、ICDも同様に思えるかもしれない。混同注意:ICF(国際生活機能分類)と混同しやすい。ICFは「生活機能と障害」を分類するモデルであり、ICDは「疾病」を分類する。
- 4. ICD-10は精神疾患だけでなく、全ての疾病、傷害、死因を対象とした包括的な分類です。精神疾患に関する章は存在しますが、それに特化しているわけではありません。正しくは:ICD-10は精神疾患に限定されず、あらゆる疾病、傷害、死因を対象とする包括的な分類である。選びやすい理由:精神科領域でICD-10が診断基準として頻繁に用いられるため、精神疾患に特化していると誤解されやすい。混同注意:DSM(精神疾患の診断・統計マニュアル)と混同しやすい。DSMは精神疾患に特化しているが、ICDはより広範な分類である。
- 5. 正解。国際疾病分類(ICD)は、世界中の死因統計や疾病統計に用いられる標準的な分類であり、我が国の死因統計もこれに準拠して作成されています。これはICDの重要な用途の一つです。
国試ポイント
国際的な分類体系であるICDとICFの基本的な内容、特に作成主体、対象範囲、目的の違いを理解しているかが問われています。両者の混同を誘う選択肢が多く含まれる典型的な問題形式です。
混同注意
国際疾病分類(ICD)と国際生活機能分類(ICF)。両者はWHOが作成する分類ですが、対象(疾病 vs 生活機能と障害)、目的(疾病の統計・診断 vs 生活機能の記述)が異なります。また、精神疾患の診断で用いられるDSMとも混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、ICDとICFの『目的』『対象』『構成要素』『作成主体』『適用範囲』が正確に区別できるかを再度確認する。特に『生活機能』や『障害』といったキーワードが登場した際に、ICFの可能性をまず疑う。
関連知識
ICD-11の改訂内容(ゲーム障害の追加など)、ICFの構成要素(心身機能・身体構造、活動、参加、環境因子、個人因子)、ICDとICFの関係性(補完的な関係)。