関節唇を有するのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第60回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・3番
解説
関節唇は、肩関節の肩甲骨関節窩縁(関節窩唇)と、股関節の寛骨臼縁(寛骨臼唇)に存在する線維軟骨性の構造です。これらの関節唇は、関節窩の深さを増し、関節の適合性を向上させることで、可動域の広さと安定性の両立に大きく貢献しています。肘関節、膝関節、足関節には関節唇は存在しません。特に膝関節には半月板がありますが、これは関節唇とは別の構造です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。肩関節は、上腕骨頭と肩甲骨関節窩の適合性を高めるために、関節窩の縁に関節唇(関節窩唇)を持っています。これにより、肩関節の可動域の広さと安定性を両立させています。
- 2. 肘関節(腕尺関節、腕橈関節、上橈尺関節)には関節唇がありません。関節の安定性は、骨の形状(滑車と滑車切痕の適合)、強靭な靭帯、周囲の筋群によって保たれています。正しくは:肘関節は関節唇を有しません。選びやすい理由:肘関節の構造は比較的単純であり、関節唇がないことは明確であるため、誤って選ぶ可能性は低いかもしれません。混同注意:肘関節の滑液包や靭帯を関節唇と混同することはないでしょう。しかし、関節の構造全般について知識が曖昧だと判断を誤る可能性があります。
- 3. 正解。股関節は、大腿骨頭と寛骨臼の適合性を向上させ、関節の安定性を強化するために、寛骨臼の縁に関節唇(寛骨臼唇)を持っています。これにより、体重を支える高い機能性と広い可動域を確保しています。
- 4. 膝関節には関節唇は存在しません。膝関節には半月板がありますが、これは線維軟骨性構造であり、関節唇とは異なる機能と形態を持っています。半月板は関節の適合性を高め、衝撃を吸収する役割を担いますが、関節窩の縁を取り囲むものではありません。正しくは:膝関節は関節唇を有しません。ただし、半月板と呼ばれる線維軟骨構造を有します。選びやすい理由:膝関節には半月板があるため、この半月板を関節唇と混同して選択してしまう可能性があります。どちらも関節の適合性を高める線維軟骨性の構造ですが、名称と詳細な形態・位置が異なります。混同注意:半月板と関節唇の区別。両者とも線維軟骨で構成され、関節の適合性や安定性に寄与する点は共通していますが、解剖学的位置と名称が異なります。
- 5. 足関節(距腿関節)には関節唇がありません。この関節の安定性は、脛骨と腓骨の間の強固な連結、および内外側の強力な靭帯によって主に維持されています。正しくは:足関節は関節唇を有しません。選びやすい理由:足関節は体重を支える重要な関節であり、複雑な動きも伴うため、何らかの補強構造があると考えてしまいがちですが、それが関節唇であると誤解する可能性があります。混同注意:足関節周囲の強靭な靭帯や軟骨構造を関節唇と混同することはありませんが、関節の安定化機構全般に関する理解が不足していると、誤った選択に繋がりえます。
国試ポイント
この問題は、主要な関節における特徴的な解剖学的構造、特に線維軟骨性の補助構造(関節唇、半月板など)の有無とその役割を正確に理解しているかを問うものです。単に名称を知っているだけでなく、それがどの関節に存在し、どのような機能を持つかを区別できる知識が求められます。複数の選択肢を選ぶ形式のため、各関節の構造に関する確実な知識が必要です。
混同注意
関節唇と半月板は、いずれも線維軟骨性の補助構造で、関節の適合性や安定性に寄与する点で混同されやすいです。しかし、関節唇は関節窩の縁を深くする輪状の構造であるのに対し、半月板は関節腔内に位置し、関節面の間で衝撃吸収や荷重分散を行うC字型またはO字型の構造である点で明確に異なります。また、これらの構造と靭帯との違いも理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、関節の種類だけでなく、「どの骨のどの部分に付着しているか」「どのような機能を持つか」「他の線維軟骨性構造(半月板など)とどう異なるか」といった、より詳細な解剖学的特徴や機能的役割を問われる可能性があります。また、これらの構造が損傷した場合の症状や理学療法評価についても確認しておくと良いでしょう。
関連知識
各関節の構成要素(骨、靭帯、関節包、軟骨、筋腱など)と、それらが関節の安定性や可動性にどのように寄与しているか。特に肩関節のSITS筋(回旋筋腱板)や股関節の強力な靭帯群(腸骨大腿靭帯など)と関節唇の協調作用。膝関節における前十字靭帯、後十字靭帯、側副靭帯、半月板の機能。足関節の安定化機構(内外側靭帯、脛腓靭帯結合)なども関連知識として重要です。