パソコン作業における筋骨格系障害の予防で最も適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
椅子の座面が高く足が床につかない場合、足底が支持されないため、大腿部の圧迫、骨盤の後傾、不安定な姿勢につながり、腰背部への負担が増大します。フットレストを使用することで足底が支持され、適切な体圧分散と安定した座位姿勢が保たれるため、筋骨格系障害の予防に非常に有効です。
選択肢ごとの解説
- 1. 筋骨格系障害予防のための休憩は、一般的に30分〜1時間ごとに短時間(5〜15分)取ることが推奨されます。3時間ごとの休憩では頻度が少なすぎ、身体への負担が大きくなる可能性があります。正しくは:作業中は、1時間ごとに10~15分程度の休憩を取る。選びやすい理由:長時間の作業において休憩が重要であるという認識は正しいですが、具体的な休憩の頻度やタイミングの基準を知らない場合に、この選択肢を選んでしまう可能性があります。混同注意:休憩の重要性とその具体的な頻度・時間。
- 2. ディスプレイとの適切な距離は、一般的に40cm以上(好ましくは50〜70cm)が推奨されます。30cmでは近すぎるため、目の疲労や姿勢の悪化(前のめりになるなど)につながりやすくなります。正しくは:目とディスプレイの距離は、40cm以上離し、必要に応じて拡大鏡などを使用する。選びやすい理由:ディスプレイとの距離調整が重要であるという点は正しいですが、具体的な推奨距離を知らない場合に選択肢の数字に惑わされる可能性があります。混同注意:ディスプレイとの適切な距離とその推奨値。
- 3. 正解。足が床につかない状況では、太ももの裏が圧迫されたり、骨盤が後傾したり、不安定な姿勢になったりして、腰や背中への負担が増大します。フットレストを使用することで足底がしっかりと支持され、体圧分散が適切に行われ、安定した座位姿勢を保つことができるため、筋骨格系障害の予防に非常に効果的です。
- 4. キーボードは、肘関節が約90度から100度程度の屈曲位で、前腕が床とほぼ水平になる位置に設置することが推奨されます。肘関節が完全伸展する位置では、肩や首、手首に不自然な負担がかかりやすく、腱鞘炎などのリスクを高めます。正しくは:キーボードは、肘関節が約90度屈曲し、前腕が床とほぼ平行になる高さに設置する。選びやすい理由:腕を伸ばして作業することが、リラックスした姿勢だと誤解している場合に選びやすいです。混同注意:作業時の肘関節の適切な角度と姿勢。
- 5. ディスプレイ画面の上端が目の高さとほぼ同じか、やや低くなるように調整するのが適切です。ディスプレイの下端に目の高さを合わせると、目線が下がりすぎて首が前に傾きやすくなり、頸部への負担が不自然に増大します。正しくは:目の高さは、ディスプレイ画面の上端がほぼ水平か、やや下になるように調整する。選びやすい理由:ディスプレイの高さ調整が重要であるという認識は正しいですが、具体的な推奨位置を知らない場合に、誤った選択をしてしまう可能性があります。混同注意:ディスプレイの高さ調整における目の位置と、それによって防げる首や肩への負担。
国試ポイント
パソコン作業時のエルゴノミクス(人間工学)に関する基本的な知識と、筋骨格系障害予防のための具体的な姿勢や環境調整について問われています。特に、VDT作業における作業環境の具体的な設定基準(休憩頻度、ディスプレイ距離・高さ、キーボード位置、足元サポートなど)の正確な理解が求められる問題です。
混同注意
各選択肢が示唆する対策自体は、一見すると「正しい対策の一部」のように見えるため、具体的な数値や詳細な推奨基準を正確に覚えていないと誤った選択をしてしまいやすいです。例えば「休憩をとる」「距離をとる」「高さを調整する」という大まかな方向性は正しいですが、その「頻度」「数値」「位置」の具体的な基準が異なる点が混乱を招きます。
次に同じ論点が出たら
次回同様の問題が出題された際は、提示された各対策の具体的な「数値」「頻度」「位置関係」が、一般的な推奨基準(例:VDT作業ガイドライン)と合致しているかを一点ずつ確認します。特に「最も適切」を問う問題では、他の選択肢と比べてより効果的・原則的な対策は何かを比較検討することが重要です。
関連知識
VDT作業における作業環境管理のためのガイドライン(厚生労働省)、正しい座位姿勢のエルゴノミクス、各身体部位(頸部、肩、腰、手首、目など)にかかる負担と対策、休憩の重要性とアクティブレストの概念。