介護保険法に規定される特定疾病はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・4番
解説
介護保険法における特定疾病は、加齢に伴い発症しやすく、心身の機能低下により要介護状態となる可能性が高い疾患が指定されています。選択肢3の脊髄小脳変性症と選択肢4の閉塞性動脈硬化症は、これらの基準に合致するため特定疾病として定められています。
選択肢ごとの解説
- 1. 拡張型心筋症は、介護保険法の特定疾病には含まれません。正しくは:この疾患は医療保険の対象となるものであり、介護保険の特定疾病ではありません。選びやすい理由:心臓病は重篤で慢性的な経過をたどることが多く、介護の必要性が高いと連想されやすいため、特定疾病と誤認しやすいです。混同注意:高齢者に多い循環器疾患や、特定疾病に指定されている他の重篤な疾患と混同されることがあります。特定疾病は、疾患の重症度だけでなく、40歳以上65歳未満の第2号被保険者が介護サービスを利用する際の条件として設定されたものです。
- 2. 間質性肺疾患は、介護保険法の特定疾病には含まれません。正しくは:この疾患は医療保険の対象となるものであり、介護保険の特定疾病ではありません。選びやすい理由:呼吸器疾患も進行性で重症化しやすく、介護が必要になるケースが多いため、特定疾病と間違われやすいです。混同注意:慢性閉塞性肺疾患(COPD)のように特定疾病に含まれる他の呼吸器疾患や、一般的な難病と混同される可能性があります。
- 3. 正解。脊髄小脳変性症は、介護保険法に定められた16種類の特定疾病の一つです。この疾病は進行性で、身体機能の低下が著しく、継続的な介護が必要となることから特定疾病に指定されています。
- 4. 正解。閉塞性動脈硬化症は、介護保険法に定められた16種類の特定疾病の一つです。血管の狭窄や閉塞により血流障害が起こり、歩行困難や疼痛を伴うことが多いため、介護が必要となる状態が想定され特定疾病に指定されています。
- 5. 変形性肘関節症は、介護保険法の特定疾病には含まれません。正しくは:特定疾病として指定されている「変形性関節症」は、『両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴うもの』に限定されており、肘関節は含まれません。選びやすい理由:高齢者に多い関節疾患であり、ADL(日常生活動作)の低下原因となるため、特定疾病と誤認しやすいです。特に「変形性関節症」という言葉が特定疾病に含まれるため、部位の限定を見落としがちです。混同注意:特定疾病に含まれる「変形性関節症(両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴うものに限る)」と混同されやすいです。単に「変形性関節症」と聞くと、どの関節でも該当すると錯覚することがあります。
国試ポイント
介護保険法の特定疾病16種類を正確に暗記しているかを問う問題です。単なる疾患名だけでなく、どのような疾患が含まれるか、または含まれないかを判別する知識が求められます。特に、疾患名に条件(例:「両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴うものに限る」)が付く場合があるため、その点まで含めて正確な理解が必要です。
混同注意
特定疾病は、重篤な疾患や高齢者に多い疾患全般と混同されやすいです。特に、似たような名前の疾患や、加齢とともにリスクが高まる疾患でも特定疾病に含まれないものがあるため注意が必要です。また、特定疾病に含まれる「変形性関節症」のように、特定の部位に限定されている場合がある点も混乱を招きやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に類似問題が出た際は、介護保険法の特定疾病16種類を正確に思い出し、選択肢の疾患名がそのリストに含まれているかどうかを一つずつ確認することが重要です。特に、疾患名に修飾語(例:「両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う」など)が付いている場合は、その条件まで含めて正しく判断できるかどうかがポイントになります。
関連知識
特定疾病は、40歳以上65歳未満の第2号被保険者が介護保険サービスを利用する際に、要介護認定を受ける条件となる疾患群です。2020年時点では以下の16種類が指定されています:がん(医師が一般的に認められている医学的見地に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る)、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症、後縦靱帯骨化症、骨折を伴う骨粗鬆症、初老期における認知症、進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病(関連疾患を含む)、脊髄小脳変性症、脊柱管狭窄症、早老症、多系統萎縮症、糖尿病性神経障害・糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症、脳血管疾患、閉塞性動脈硬化症、慢性閉塞性肺疾患、両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症。