UPDRS〈Unified Parkinson’s Disease Rating Scale〉Version 3.0の運動能力検査の項目はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第60回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
UPDRS Version 3.0の運動能力検査(Part III)は、医師や理学療法士などの医療従事者が、客観的な診察に基づいて評価するパーキンソン病の運動症状に関する項目です。この中には、発話、顔面表情、安静時振戦、体位時振戦、指タッピング、手部回内・回外運動、手の速い交代運動、脚の速い交代運動、固縮(首、上下肢)、指鼻試験、かかとすね試験、立ち上がり、姿勢、歩行、姿勢反射などが含まれます。選択肢の「固縮」は、パーキンソン病の主要な運動症状の一つであり、Part IIIの重要な評価項目です。
選択肢ごとの解説
- 1. 嚥下能力は、UPDRS Part II(患者の日常生活動作の経験に関する質問)で評価される項目であり、患者の主観的な報告に基づいています。Part IIIは医療従事者による客観的な運動能力評価です。正しくは:UPDRS Part IIIの評価項目としては不適切です。選びやすい理由:パーキンソン病では嚥下障害がよく見られる症状であるため、重要な評価項目だと誤解しやすいです。混同注意:UPDRS Part IIのADLに関する質問項目と混同しやすいです。
- 2. 正解。固縮は、UPDRS Version 3.0の運動能力検査(Part III)において、首、上下肢の項目として含まれ、医療従事者が客観的に評価するパーキンソン病の主要な運動症状の一つです。
- 3. 転倒頻度は、UPDRS Part II(患者の日常生活動作の経験に関する質問)で評価される項目であり、患者自身が過去の転倒経験を報告するものです。Part IIIの客観的な運動能力検査項目ではありません。正しくは:UPDRS Part IIIの評価項目としては不適切です。選びやすい理由:パーキンソン病患者にとって転倒は重要な問題であり、評価の対象となるため、選択肢として魅力的です。混同注意:UPDRS Part IIのADLに関する質問項目や、バランス評価スケールと混同しやすいです。
- 4. 寝返りに関する評価は、UPDRS Part II(患者の日常生活動作の経験に関する質問)に含まれる項目であり、患者の主観的な報告に基づいて評価されます。Part IIIの客観的な運動能力検査項目ではありません。正しくは:UPDRS Part IIIの評価項目としては不適切です。選びやすい理由:パーキンソン病では寝返り困難が典型的症状であるため、重要な評価項目だと誤解しやすいです。混同注意:UPDRS Part IIのADLに関する質問項目と混同しやすいです。
- 5. 歩行中のすくみは、UPDRS Version 3.0では運動能力検査(パートⅢ)ではなく、日常生活動作(パートⅡ)の項目です。
国試ポイント
パーキンソン病の重症度評価に用いられるUPDRS(Unified Parkinson's Disease Rating Scale)は、理学療法士にとって重要な評価スケールです。特にPart III(運動能力検査)は、理学療法士が直接関与する評価項目が多く、その内容を正確に理解しているかが問われることが多いです。各Partの評価対象(患者の主観的報告か、医療従事者の客観的評価か)と、具体的な評価項目を区別できるようにしておく必要があります。
混同注意
UPDRSは複数のPart(Part I:非運動症状の経験、Part II:ADLの経験、Part III:運動能力検査、Part IV:治療合併症)から構成されており、それぞれのPartで評価される内容が異なります。Part II(ADLの経験)では、患者の主観的な日常生活動作の困難さ(例:嚥下、転倒、寝返り、歩行中のすくみ、衣服の着脱など)が問われるのに対し、Part III(運動能力検査)では、医療従事者が実施する診察に基づいた客観的な運動症状(例:振戦、固縮、運動緩慢、姿勢、歩行、バランスなど)が評価されます。この違いを明確に区別することが重要です。
次に同じ論点が出たら
UPDRS Version 3.0に関する問題が出題された際は、まず「どのPartについて問われているか」を確認します。Part IIIが問われている場合は、「客観的な運動能力の評価項目」であることに着目し、患者の主観的なADLの経験(Part II)や非運動症状(Part I)、治療合併症(Part IV)に関する項目と混同しないように判断します。特に、パーキンソン病の主要な運動症状(振戦、固縮、無動・寡動、姿勢反射障害)がPart IIIの具体的などの項目に対応するかを明確に区別できれば、正答にたどり着きやすいでしょう。
関連知識
UPDRSは、パーキンソン病の診断、重症度評価、治療効果判定に広く用いられる評価尺度です。各Partの概要と代表的な評価項目を把握しておくことは必須です。Part I:非運動症状の経験(認知、抑うつ、不安、睡眠障害、痛みなど)。Part II:日常生活動作の経験(発話、嚥下、食事、着衣、衛生、書字、寝返り、振戦、歩行、転倒、凍結歩行、入浴、手作業など)。Part III:運動能力検査(発話、顔面表情、振戦、固縮、運動緩慢、姿勢、歩行、姿勢反射など)。Part IV:治療合併症(不随意運動、ジストニア、オフ時間など)。パーキンソン病の四大症状(振戦、固縮、無動・寡動、姿勢反射障害)がどのPartのどの項目で評価されるかを理解しておくことも重要です。