知的障害がみられうる疾患の中で、皮膚色素沈着(カフェオレ斑)が特徴的なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
神経線維腫症1型(レックリングハウゼン病)は、常染色体優性遺伝疾患であり、カフェオレ斑、神経線維腫、腋窩・鼠径部の雀卵斑様色素斑、Lisch結節(虹彩過誤腫)などが特徴的な臨床所見です。知的障害や学習障害を伴うこともあります。特にカフェオレ斑は診断基準の主要項目の一つとされています。
選択肢ごとの解説
- 1. 結節性硬化症は、脳、皮膚、腎臓など全身に良性腫瘍(過誤腫)ができる遺伝性疾患で、知的障害も伴いますが、カフェオレ斑ではなく「葉状白斑」や「顔面血管線維腫」などが特徴的な皮膚所見です。正しくは:カフェオレ斑ではなく、葉状白斑が特徴的である。選びやすい理由:皮膚病変と知的障害というキーワードで、本疾患も想起されやすいため。混同注意:神経線維腫症と混同しやすいが、皮膚病変の種類が異なる。
- 2. 正解。神経線維腫症1型(レックリングハウゼン病)は、カフェオレ斑(6個以上)や神経線維腫、腋窩・鼠径部の雀卵斑様色素斑などが特徴的な疾患で、知的障害を合併することもあります。カフェオレ斑は本疾患の診断基準の一つです。
- 3. ネコ鳴き症候群(5pモノソミー症候群)は、5番染色体短腕の一部欠失によって生じ、特徴的な猫のような甲高い泣き声、小頭症、知的障害などを伴いますが、カフェオレ斑は特徴的な皮膚所見ではありません。正しくは:カフェオレ斑ではなく、猫のような泣き声や小頭症が特徴である。選びやすい理由:知的障害を伴う症候群であるため、選択肢として考慮される可能性がある。混同注意:他の染色体異常症候群と混同しやすい。
- 4. Williams症候群は7番染色体の一部欠失によって生じ、特徴的な「エルフ顔貌」、軽度から中等度の知的障害、心血管系奇形(大動脈弁上狭窄など)、過度な社交性などを伴いますが、カフェオレ斑は特徴的な皮膚所見ではありません。正しくは:カフェオレ斑ではなく、「エルフ顔貌」や心血管系奇形が特徴である。選びやすい理由:知的障害を伴う症候群であるため、選択肢として考慮される可能性がある。混同注意:他の染色体異常症候群や先天性疾患と混同しやすい。
- 5. Prader-Willi症候群は15番染色体q11-q13領域の異常によって生じ、新生児期の筋緊張低下、幼児期以降の過食と肥満、低身長、性腺機能不全、知的障害などを伴いますが、カフェオレ斑は特徴的な皮膚所見ではありません。正しくは:カフェオレ斑ではなく、過食、肥満、低身長などが特徴である。選びやすい理由:知的障害を伴う症候群であるため、選択肢として考慮される可能性がある。混同注意:Angelman症候群と同じ染色体領域の異常であるため、混同しやすい。
国試ポイント
本問題は、知的障害を伴う特定の疾患において、その診断に直結する特徴的な皮膚所見(カフェオレ斑)を正確に識別できるかを問うものです。疾患と症状の組み合わせ、特に視覚的な特徴を持つ症状と疾患の関連を把握しているかが重要になります。
混同注意
カフェオレ斑と葉状白斑(結節性硬化症)、雀卵斑様色素斑、血管腫など、皮膚の色素異常や病変を伴う疾患は多岐にわたり、それぞれの特徴的な所見を正確に区別する必要があります。また、知的障害を伴う症候群も多いため、各症候群の主要な症状を混同しないように注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、他の神経皮膚症候群(例: 結節性硬化症、Sturge-Weber症候群)や、知的障害を伴う遺伝性疾患(例: ダウン症候群、fragile X症候群)について、それぞれの特徴的な症状(特に視覚的な所見や身体的特徴)を正確に識別できるかどうかが問われる可能性があります。また、診断基準や遺伝形式についても知識が求められるでしょう。
関連知識
神経線維腫症は1型と2型があり、それぞれ症状が異なります。1型はレックリングハウゼン病とも呼ばれ、皮膚症状が主体ですが、2型は聴神経腫瘍など神経系腫瘍が主体です。カフェオレ斑は1型の特徴です。結節性硬化症は、皮膚の葉状白斑、顔面血管線維腫、Shagreen patchに加え、てんかん、発達遅滞などの神経症状が見られます。これらの神経皮膚症候群(ファコマトーシス)は、皮膚症状、神経症状、知的障害などを共通して持つことがあります。