ICFの評価点で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
ICFの「活動と参加」の評価点には、第一評価点(実行状況)と第二評価点(能力)があります。第一評価点である実行状況は、その人が現在の生活環境において、さまざまな活動や社会参加をどの程度行っているか、また困難さを感じているかを示します。これは環境因子を含めた実際の生活の中での状況を評価するものです。したがって、選択肢3が正しい記述となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 心身機能の第一評価点は、機能障害の「性質」ではなく、「重症度」を数値(0~4、8,9)で示します。正しくは:心身機能の第一評価点は、その機能障害の重症度を示します。選びやすい理由:「障害」という言葉に引きずられ、評価点が障害の詳細な内容(性質か重症度か)まで示すと誤解しやすいです。混同注意:障害の「性質」は、項目コードの定義や具体的な診断内容によって示されることが多く、評価点(修飾子)とは異なる役割を持ちます。
- 2. 身体構造の第二評価点は、構造障害の「種類や性質」(例:欠損、変形、破壊など)を示します。障害の「部位」は、身体構造の項目コード(sXXX)によって指定されます。正しくは:身体構造の第二評価点は、その構造障害の種類や性質を示します。選びやすい理由:身体構造という言葉から、部位に関する情報であると連想しやすいため、誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:身体構造の項目コード(sXXX)が部位を示し、第二評価子は障害の種類を示すという違いを混同しやすいです。
- 3. 正解。活動と参加の第一評価点(第1修飾子)は「実行状況(performance)」を表し、その人が普段の生活環境で活動や参加を「実際にしている」状況での困難度を示します。これは正しい記述です。
- 4. 活動と参加の第二評価点は「能力(capacity)」を表し、標準的な環境下で「支援がない状態」での個人の能力の困難度を示します。「支援あり」での能力は、実行状況に近い概念であり、能力の評価としては不適切です。正しくは:活動と参加の第二評価点は、標準的な環境下における能力の困難度(通常は支援なしでの能力)を示します。選びやすい理由:実行状況と能力の違いが曖昧だと、どちらに「支援」が関係するのか混同しやすいです。能力は、環境の影響を排除した潜在的な能力を評価します。混同注意:実行状況は様々な環境因子(支援を含む)の影響を受けるのに対し、能力は標準的な環境下での潜在能力を評価するという違いが理解できていないと混同します。
- 5. 環境因子の評価点では、プラス(+)記号は「促進因子」を、マイナス(−)記号は「阻害因子」を示します。正しくは:環境因子の第一評価点において、プラス(+)記号は促進因子を意味します。選びやすい理由:記号と意味が逆転している点を見落としやすく、直感的にプラスが良いこと、マイナスが悪いことと理解していても、正確な対応を覚えていないと誤りやすいです。混同注意:一般的な評価点で数値が高いほど「困難度が高い」ことを示す場合と異なり、環境因子では記号が直接「促進」か「阻害」かを示します。また、記号の意味を逆に取り違えやすいです。
国試ポイント
ICFの評価点(修飾子)について、それぞれの領域(心身機能、身体構造、活動と参加、環境因子)における評価点の意味と、それが何を数値化・記号化しているのかを正確に理解しているかが問われます。特に、活動と参加における「実行状況」と「能力」の違い、および環境因子における「促進因子」と「阻害因子」の記号表現は頻出ポイントです。
混同注意
活動と参加の「実行状況(performance)」と「能力(capacity)」の明確な違い、特に環境因子の影響の有無。また、環境因子における促進因子と阻害因子の記号(+と-)の意味の取り違え。
次に同じ論点が出たら
ICFの問題が出た場合、まず問われているのがどの構成要素(心身機能、身体構造、活動と参加、環境因子)かを確認し、次にその評価点(修飾子)が何を意味しているのかを正確に思い出します。特に、実行状況と能力の違い、環境因子の記号の意味を再確認しましょう。
関連知識
ICFの構成要素(心身機能・身体構造、活動と参加、環境因子、個人因子)とその相互作用。各構成要素の定義と具体例。評価点の一般的なルール(0~4、8,9)。