脳血管障害のうち、日本で2021年以降に発症数が最も多いのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第60回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
日本における脳血管疾患の疫学調査では、2021年以降も脳梗塞の発症数が最も多く、全体の約7割を占めています。次いで脳出血、くも膜下出血の順で続きます。脳静脈血栓症や慢性硬膜下血腫は、より稀であるか、あるいは脳血管障害の定義から外れる場合が多いです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。日本における脳血管疾患の疫学データによると、2021年以降も脳梗塞の発症数が最も多く、全体の約70%を占めています。特に、高齢化社会の進展とともに増加傾向にあります。
- 2. 脳出血は脳血管疾患の中で2番目に多いタイプですが、脳梗塞と比較すると発症数は少ないです。正しくは:発症数が最も多いのは脳梗塞であるため、この選択肢は誤りです。選びやすい理由:脳出血も重篤な脳血管疾患であり、かつては脳梗塞と並んで頻繁に発生していましたが、近年の傾向では脳梗塞が優位です。混同注意:脳梗塞と脳出血の相対的な頻度を混同する可能性があります。特に昔のデータと比較すると、脳梗塞の割合が増加しています。
- 3. くも膜下出血は脳血管疾患の中では比較的まれなタイプであり、発症数は脳梗塞や脳出血よりもはるかに少ないです。特に破裂性脳動脈瘤が原因となることが多いですが、全体数には及びません。正しくは:発症数が最も多いのは脳梗塞であるため、この選択肢は誤りです。選びやすい理由:突然の激しい頭痛など特徴的な症状から印象に残りやすく、重篤な疾患であるため発症頻度が高いと誤解されがちです。混同注意:症状の重篤さと発症頻度を混同する可能性があります。死亡率が高い疾患ですが、発生数自体は多くありません。
- 4. 脳静脈血栓症は非常にまれな脳血管疾患であり、一般的な脳血管障害の発症数ランキングには含まれません。特に若年層や特定の誘因(妊娠、経口避妊薬など)がある場合に発生します。正しくは:発症数が最も多いのは脳梗塞であるため、この選択肢は誤りです。選びやすい理由:「血栓症」という言葉から、脳梗塞と関連があるように見えて選びたくなるかもしれません。混同注意:動脈系の血栓症(脳梗塞の原因)と静脈系の血栓症の頻度を混同する可能性があります。
- 5. 慢性硬膜下血腫は外傷によって発生することが多く、脳血管障害(脳自体の血管に起因する疾患)とは分類が異なります。また、発症数も脳梗塞とは比較になりません。正しくは:発症数が最も多いのは脳梗塞であり、かつ慢性硬膜下血腫は厳密には脳血管障害に分類されないため、この選択肢は誤りです。選びやすい理由:高齢者に多く見られ、頭蓋内に出血を伴うため、脳血管障害の一種と誤解しやすいかもしれません。混同注意:外傷性頭蓋内出血と非外傷性の脳血管障害の区別を混同する可能性があります。また、急性期脳梗塞後の出血性梗塞や脳出血との違いを誤解するかもしれません。
国試ポイント
日本における脳血管疾患の最新の疫学的動向と、各疾患の発症頻度に関する正確な知識を問う問題です。特に、脳梗塞の優位性とその背景にある高齢化社会の影響を理解しているかを確認しています。
混同注意
脳血管疾患の発症頻度に関する過去のデータ(例えば、以前は脳出血の割合がもっと高かった時期がある)や、各疾患の死亡率の高さと発症頻度を混同しやすいです。また、外傷性の頭蓋内出血(慢性硬膜下血腫など)を非外傷性の脳血管障害と誤って同じカテゴリに入れてしまうこともあります。
次に同じ論点が出たら
次に類似の問題が出た場合、最新の疫学データに更新されているか(年度が指定されているか)、複数の選択肢を選ぶ形式ではないか、または特定の病型(例:ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞)の発症頻度を問うているかを確認する必要があります。
関連知識
脳梗塞は、虚血性脳血管障害の代表であり、脳血栓症と脳塞栓症に大別されます。生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症など)との関連が深く、予防が重要です。脳出血は高血圧性が多いですが、若年者では脳動静脈奇形などの原因もあります。くも膜下出血の主な原因は脳動脈瘤の破裂です。慢性硬膜下血腫は、軽微な頭部外傷後に数週間から数ヶ月かけて発症することが多く、高齢者に特に注意が必要です。