Duchenne型筋ジストロフィーで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第60回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、X染色体にあるジストロフィン遺伝子の変異によって引き起こされるX連鎖劣性遺伝形式の遺伝性疾患です。このため、主に男性が罹患し、通常は幼児期に発症します。医療の進歩により平均寿命は延びていますが、一般的には20代から30代とされています。感染症が発症の直接的な原因となることはありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、X染色体上にあるジストロフィン遺伝子の変異によって引き起こされる遺伝性疾患であり、X連鎖劣性遺伝形式をとります。この記述は正確です。
- 2. デュシェンヌ型筋ジストロフィーはX連鎖劣性遺伝形式のため、基本的に男性に発症します。女性は通常、無症状の保因者となるか、稀に軽度の症状を示すことがあります。発症頻度は男性の方が圧倒的に高いです。正しくは:発症は男性に多く見られる。選びやすい理由:遺伝性疾患という情報だけでは、その遺伝形式(X連鎖劣性)までを正確に理解していない場合、男女差に関する認識が曖昧になることがあります。混同注意:常染色体優性遺伝や常染色体劣性遺伝の疾患と混同すると、性差に関する判断を誤る可能性があります。
- 3. デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、通常2~5歳頃の幼児期に発症し、学童期には明確な症状が見られるようになります。成人期以降に発症することは稀で、進行性疾患であるものの発症自体は小児期です。正しくは:主に幼児期に発症する。選びやすい理由:遅発性の筋疾患や、Becker型筋ジストロフィーのような進行が緩やかな他の筋ジストロフィーと混同して、発症時期を誤解することがあります。混同注意:Becker型筋ジストロフィー(成人期に発症することもある)や、筋強直性ジストロフィー(成人発症型も多い)と混同しやすいです。
- 4. デュシェンヌ型筋ジストロフィーは遺伝子の変異が原因であり、感染症が直接の発症契機となることはありません。感染症が既存の筋力低下を悪化させることはあっても、疾患の発症自体を引き起こすものではありません。正しくは:発症は遺伝子の変異が原因である。選びやすい理由:一部の神経筋疾患(例:ギラン・バレー症候群)ではウイルス感染が先行することがあるため、筋疾患全般において感染症が発症の契機となると誤解する可能性があります。混同注意:感染を契機として発症する急性期の神経炎やミオパチーと混同しやすいです。
- 5. デュシェンヌ型筋ジストロフィー患者の平均寿命は、医療の進歩により延びているものの、一般的には20代から30代とされています。60歳という平均余命は現在の標準的な情報とは大きく異なります。正しくは:平均余命は20歳代から30歳代である。選びやすい理由:医療の進歩により予後が改善されているという知識から、平均寿命を過度に高く見積もってしまうことがあります。混同注意:他の慢性疾患や、近年著しく予後が改善された疾患(例:脊髄性筋萎縮症の一部)の平均寿命と混同しやすいです。
国試ポイント
デュシェンヌ型筋ジストロフィーの基本的な疫学、遺伝形式、発症時期、性差、および予後に関する正確な知識が問われています。特にX連鎖劣性遺伝という特性からくる性差と、進行性疾患としての発症時期の理解が重要です。
混同注意
Becker型筋ジストロフィー(発症時期や症状の進行が異なる)、筋強直性ジストロフィー(遺伝形式、症状、発症時期が異なる)、他の遺伝形式の疾患(常染色体優性/劣性)、ウイルス性ミオパチー(発症契機が異なる)などと混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が問われた際には、その疾患の「遺伝形式(X連鎖劣性、常染色体優性/劣性など)」「主な発症時期(乳幼児期、小児期、成人期など)」「性差の有無および傾向」「進行の速度と予後(平均寿命、生活予後)」「発症の原因や契機」の各要素を詳細に確認することが重要です。
関連知識
デュシェンヌ型筋ジストロフィーの病態生理(ジストロフィン蛋白の欠損)、主要な臨床症状(Gowers徴候、偽性肥大、心筋症、呼吸機能障害)、診断方法(遺伝子検査、筋生検、CPK値など)、治療法(ステロイド療法、対症療法、遺伝子治療研究の進展)、および他の筋ジストロフィーとの鑑別点。