運動障害と評価方法の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
運動失調は、協調運動の障害であり、精密な運動の困難さや平衡感覚の障害を特徴とします。指鼻試験は、被験者が自身の指で鼻を触る動作を通じて、運動の正確性、スムーズさ、到達点での震え(企図振戦)などを観察し、運動失調の有無や程度を評価する代表的な方法です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。指鼻試験は、協調運動の評価に用いられ、特に運動失調の有無や程度を確認するために有効な検査です。
- 2. Brunnstrom法ステージは、片麻痺患者の共同運動や分離運動の回復段階を評価する方法であり、個々の筋力低下を直接測定するものではありません。正しくは:筋力低下に対しては、徒手筋力テスト(MMT)やダイナモメーターなどが適切な評価方法です。選びやすい理由:Brunnstrom法ステージが脳卒中後の運動機能回復評価でよく用いられるため、運動障害全般と関連すると思われがちです。混同注意:Brunnstrom法ステージは、運動の質や回復段階を評価するものであり、筋力を量的に評価するMMTとは目的が異なります。
- 3. 徒手筋力テスト(MMT)は、個々の筋の最大筋力を評価する方法であり、筋の持久力を評価するものではありません。正しくは:持久力低下に対しては、6分間歩行テストや反復運動テスト、サイクルエルゴメーターなどが適切な評価方法です。選びやすい理由:MMTが筋力を測るテストであるため、筋に関連する障害である持久力低下にも適用できると誤解しやすいです。混同注意:MMTは単回の最大筋力を評価するもので、繰り返し動作の持続能力(持久力)とは異なる概念です。
- 4. Babinski反射は、錐体路障害(上位運動ニューロン障害)の有無を評価するために用いられる病的反射です。正しくは:錐体外路障害の評価には、振戦、固縮、無動、姿勢反射障害などの観察や、パーキンソニズムの評価スケール(例:UPDRS)などが適切です。選びやすい理由:Babinski反射が「神経学的異常」を示すため、広範な神経障害、特に運動系の障害と結びつけやすいです。混同注意:錐体路障害と錐体外路障害の区別が曖昧な場合、Babinski反射がどちらにも関連すると考えてしまいがちです。
- 5. Romberg試験は、脊髄後索障害や小脳障害、前庭機能障害などによる平衡感覚の異常を評価するために用いられ、主に体性感覚入力の障害によって生じる動揺を検出します。錐体路障害を直接評価するものではありません。正しくは:錐体路障害の評価には、Babinski反射の有無、深部腱反射の亢進、筋トーヌスの異常(痙縮)、筋力低下などが適切です。選びやすい理由:Romberg試験がバランス能力を見る一般的な神経学的検査であるため、運動系の障害全般、特に脳からの指令系(錐体路)にも関連すると思われがちです。混同注意:Romberg試験は、主に後索による深部感覚と視覚による代償、前庭系による平衡維持機能の関係を評価するもので、錐体路とは異なる機能経路を評価します。
国試ポイント
理学療法士国家試験では、主要な運動機能障害とその評価方法の組み合わせについて、正確な知識が問われます。特に、それぞれの評価方法がどの神経学的経路や機能に対応しているかを理解していることが重要です。似たような名称の障害や評価方法と混同しないように注意が必要です。
混同注意
運動失調と固有感覚障害(Romberg試験)、筋力低下と筋持久力低下、錐体路障害と錐体外路障害、それぞれの評価方法の適用範囲。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合、各選択肢の評価方法が『何を目的に、どのような機序で障害を検出するのか』という根本的な部分を理解しているかを確認します。特に、神経学的経路(錐体路、錐体外路、小脳、後索など)とそれに対応する検査所見を結びつけられるかが重要です。
関連知識
各評価方法の目的と対象疾患、評価結果の解釈。例えば、Brunnstrom法ステージは脳卒中片麻痺の回復段階、MMTは個々の筋力、Babinski反射は錐体路障害、Romberg試験は体性感覚・前庭・小脳機能と平衡感覚の関係を評価します。