注意欠如・多動性障害について正しいのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・4番
解説
ADHDの診断には、幼少期からの生育歴の聴取が必須であり(選択肢3)、またADHDの特性からうつ病や不安障害などの二次的な精神症状を合併しやすいため、これらへの注意も重要です(選択肢4)。薬物療法は有効な治療法の一つであり(選択肢1は誤り)、ADHDは男児に多く(選択肢2は誤り)、成人期になってから診断されることもあります(選択肢5は誤り)。
選択肢ごとの解説
- 1. ADHDの治療では、行動療法と並行して薬物療法が広く用いられています。特に中枢神経刺激薬が主要な薬剤として認識されています。正しくは:ADHDの治療では、薬物療法が有効な選択肢の一つとして実施されます。選びやすい理由:薬物療法には副作用の懸念があるため、行わないイメージを持つ受験生がいるかもしれない。混同注意:軽度なADHDに対する行動療法のみの対応と混同するかもしれない。
- 2. ADHDは男児の方が女児に比べて有病率が高いとされています(約2~3倍)。女児では多動性よりも不注意優勢型が多く、見過ごされやすい傾向があります。正しくは:ADHDは、女児よりも男児に多く見られます。選びやすい理由:ASD(自閉スペクトラム症)など他の発達障害の性差と混同する可能性がある。混同注意:他の発達障害における性差や、診断されにくさ(見過ごされやすさ)と有病率の差を混同する。
- 3. 正解。ADHDは発達障害であり、その特性は幼少期から持続的に現れます。診断には現在の症状だけでなく、幼少期からの生育歴(発達歴)の聴取が不可欠です。混同注意:他の精神疾患の診断における情報収集の重要性と混同し、ADHDに特化した重要性を見逃す可能性がある。
- 4. 正解。ADHDのある人は、不注意や衝動性、対人関係の困難さなどから、うつ病、不安障害、物質使用障害などの二次的な精神症状を併発しやすいとされています。これらの合併症にも対応することが重要です。混同注意:ADHD自体の症状と、それによって引き起こされる二次的な精神症状との区別が曖昧になることがある。
- 5. ADHDは小児期に発症する発達障害ですが、診断基準上、症状の一部は12歳以前に確認される必要があります。しかし、成人になって初めてADHDと診断されるケースは少なくありません。これは、症状が大人になるまで顕在化しなかったり、他の問題として誤解されていたりするためです。正しくは:ADHDは成人期になって初めて診断されることもあります。選びやすい理由:「発達障害は子どもの頃からのもの」という認識から、成人期診断を否定しがちになる。混同注意:「小児期に発症する」という定義と「成人期に診断される」という事実を混同する。
国試ポイント
ADHDの基本的な特徴、診断プロセス、疫学(性差)、および治療に関する知識が問われています。特に、診断の際の生育歴の重要性と、合併症に関する理解がポイントです。
混同注意
ADHDと他の発達障害(ASDなど)の疫学や特性、またADHDの主症状と二次的な精神症状が混同しやすい。診断時期と発症時期の区別も重要です。
次に同じ論点が出たら
今後ADHDに関する問題が出題された場合、診断基準の詳細(特に発症年齢や症状の持続期間)、治療法の具体的な内容(薬物の種類や行動療法の技法)、学校や職場での支援体制、あるいはADHDの人が抱えやすい社会生活上の困難とそれに対するリハビリテーション介入について問われる可能性があります。
関連知識
ADHDの診断基準(DSM-5など)、薬物療法の種類と作用機序、行動療法の内容、合併しやすい精神疾患、成人期ADHDの特徴。