フレイルの説明で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
フレイルは、加齢による身体的予備能力の低下を基盤とし、サルコペニアはその主要な構成要素です。筋肉量や筋力の低下は、転倒リスクの増加、活動量の低下、さらには他のフレイル構成要素の悪化にもつながります。したがって、フレイルとサルコペニアは密接に関連しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。フレイルは、加齢に伴う様々な生理的予備能力の低下により、身体的・精神的・社会的な脆弱性が増した状態を指します。サルコペニア(筋肉量と筋力の低下)はフレイルの主要な構成要素の一つであり、深く関連しています。
- 2. フレイルの診断基準の一つに、意図しない体重減少(例:6ヶ月で2kg以上の減少)が含まれます。食欲不振や筋肉量減少などにより、体重は減少しているケースが多いです。正しくは:フレイルの多くの症例では、体重が減少傾向にあります。選びやすい理由:加齢に伴う運動量の減少と食事量の維持から、体重増加を連想する可能性。混同注意:肥満とフレイルが合併する『フレイル肥満』との混同。ただし、フレイルの一般的な傾向としては体重減少が見られます。
- 3. フレイルは「虚弱」と訳されることが多く、虚弱高齢者とほぼ同義として使用されます。明確に区別されるというよりは、虚弱をより客観的な指標で捉え、介入可能な状態として概念化したものです。正しくは:フレイルは「虚弱高齢者」とほぼ同じ概念、あるいは虚弱をより包括的かつ介入可能なものとして捉え直した概念です。選びやすい理由:新しい概念であるフレイルが、従来の虚弱高齢者と全く同じではない、という知識から、あえて区別されると誤解する可能性。混同注意:フレイルが身体的、精神的、社会的な多面的な脆弱性を指すのに対し、虚弱は身体的側面が強調されがち、というニュアンスの違いと、完全な分離を混同する。
- 4. 地域在住高齢者のフレイルの該当者は約1割とされ、2%程度ではありません。選びやすい理由:具体的な数字が提示されると、それが正しいかのように見えやすい。混同注意:特定の年齢層や診断基準による限定的な数値との混同。
- 5. フレイルは身体的側面だけでなく、精神・心理的側面(例:うつ状態、意欲低下)や社会性側面(例:社会とのつながりの希薄化)も含む多面的な概念です。精神的な活力の低下(例:疲労感や意欲の低下)はフレイルの診断基準の一つにも含まれています。正しくは:精神的な活力の低下も、フレイルを判断する重要な要素の一つです。選びやすい理由:フレイルという言葉が「身体的虚弱」を想起させやすいため、精神面が除外されると誤解する可能性。混同注意:サルコペニアなどの純粋な身体的機能障害と、フレイルの包括的な概念を混同する。
国試ポイント
フレイルの定義と概念、診断基準、および関連する病態(特にサルコペニア)を正確に理解しているかが問われています。特に、フレイルが多面的な概念であること、虚弱とほぼ同義であること、そして体重減少が特徴であることなどがポイントです。
混同注意
フレイルとサルコペニアの関係性(サルコペニアはフレイルの一部であり、密接に関与する)。フレイルと虚弱高齢者の概念(ほぼ同義)。フレイルの多面性(身体・精神・社会)。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、フレイルの具体的な診断基準(Friedの基準など)の内容や、フレイルサイクルにおける各要素の関連性、あるいはフレイルへの具体的な介入方法について問われる可能性が高いです。また、サルコペニアやロコモティブシンドロームとの鑑別や関連性も重要です。
関連知識
フレイルの診断基準(Friedの基準:意図しない体重減少、握力低下、疲労感、歩行速度低下、身体活動量低下のうち3項目以上)、Pre-frail(1~2項目)、Robust(0項目)。J-CHS基準。フレイルサイクル。フレイルへの介入(運動、栄養、社会参加)。