Eriksonによる成人中期の心理的発達課題はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
エリクソン(Erik Erikson)の提唱した心理社会的発達理論では、人間の生涯を8つの段階に分け、それぞれの段階に特有の心理社会的課題があるとしました。成人中期(約40歳〜65歳頃)の課題は「生殖性(Generativity)」であり、これは次世代の育成や社会への貢献を通して、自身の存在意義を見出そうとする欲求を指します。他の選択肢は、それぞれ異なる発達段階の課題です。
選択肢ごとの解説
- 1. 勤勉性は学童期(約6〜12歳)の発達課題です。正しくは:勤勉性 vs 劣等感選びやすい理由:「勤勉」という言葉が成人期にも重要と感じられるため、選択肢として魅力的かもしれません。混同注意:他の発達段階の課題と混同しやすいです。
- 2. 同一性(アイデンティティ)は青年期(約12〜18歳)の発達課題です。正しくは:同一性 vs 同一性拡散選びやすい理由:成人期全体を通して自己認識は重要であるため、誤って選択してしまう可能性があります。混同注意:特に、青年期から成人期への移行期の課題と混同しやすいです。
- 3. 親密性は成人早期(約18〜40歳)の発達課題です。正しくは:親密性 vs 孤立選びやすい理由:成人中期においても人間関係の親密さは重要であるため、正答と誤解しやすいです。混同注意:成人早期の課題と混同しやすいです。中期ではより広い視点での貢献が求められます。
- 4. 正解。生殖性(世代性、Generativity)は、次世代を育成し社会に貢献しようとする成人中期(約40〜65歳)の主要な発達課題です。この時期の人は、子育て、仕事、地域活動などを通して、後の世代に価値あるものを残そうと努めます。
- 5. 自我の統合は老年期(約65歳〜)の発達課題です。正しくは:自我の統合 vs 絶望選びやすい理由:「自我の統合」という言葉が人生の成熟を連想させるため、成人中期にも当てはまると考えてしまうかもしれません。混同注意:人生の最終段階である老年期の課題と混同しやすいです。
国試ポイント
エリクソンの発達段階理論における、各年代ごとの心理社会的発達課題を正確に理解しているかが問われる基本的な問題です。特に「〜性 vs 〜」という形で対になる概念と、それがどの年齢層に当てはまるかを押さえることが重要です。
混同注意
各発達段階の課題名(例:同一性、親密性、生殖性、自我の統合)が似ており、どの年代にどの課題が対応するかを混同しやすいです。また、発達課題が連続的なものであるため、厳密な年齢区分に固執しすぎると誤解を生むこともあります。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出題された場合、他の発達段階の課題と年齢層の組み合わせ、あるいは各課題の内容(例:生殖性とは具体的に何を指すか)を問う問題形式が予想されます。また、エリクソンの発達理論が個人の心理的側面だけでなく、社会との相互作用を重視している点も理解しているかを確認される可能性があります。
関連知識
エリクソンの発達段階理論(8段階)とその各段階における「危機(Crisis)」の概念、フロイトの精神分析理論との比較、ピアジェの認知発達段階理論、コールバーグの道徳性発達段階理論など、他の主要な発達理論との関連性も学習しておくと良いでしょう。