大脳辺縁系とその働きの組合せで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
帯状回は、大脳辺縁系の一部として、感情、学習、特に新しい運動の習得や習慣の形成に重要な役割を果たします。運動学習においては、エラー検出やフィードバック処理、適切な行動選択に関与し、学習過程を円滑に進める上で不可欠な部位です。
選択肢ごとの解説
- 1. 海馬の主な機能は記憶(特にエピソード記憶や空間記憶)の形成であり、体温調節は視床下部の機能である。正しくは:海馬 — 記憶形成選びやすい理由:海馬は重要な脳構造であり、脳の様々な機能に関与していると思われがちだが、体温調節のような基本的な生命維持機能とは直接関係しない。混同注意:海馬の機能(記憶)と視床下部の機能(自律神経、体温調節など)が混同されている。
- 2. 嗅球は嗅覚情報の処理を担う部位であり、内分泌機能は主に視床下部や下垂体、その他の内分泌腺が担当する。正しくは:嗅球 — 嗅覚選びやすい理由:嗅球は脳の比較的原始的な部分であり、広範な生理機能に関わっていると誤解されやすい。混同注意:嗅球の機能(嗅覚)と視床下部や下垂体の機能(内分泌)が混同されている。
- 3. 視床下部は自律神経機能、内分泌機能、体温調節、摂食・飲水行動、睡眠覚醒などに関与し、長期記憶の保持には主に関わらない。長期記憶の保持には大脳皮質が重要である。正しくは:視床下部 — 自律神経調節選びやすい理由:視床下部は脳の重要な中枢であり、様々な高次機能にも関わると想像されやすい。混同注意:視床下部の機能(自律神経、恒常性維持)と、海馬や大脳皮質の機能(記憶)が混同されている。
- 4. 正解。帯状回(特に前帯状回)は、学習、特に新しい運動の学習や習慣形成、エラー検出など、運動学習に深く関与していることが知られている。感情やモチベーション、意思決定にも関連する。
- 5. 扁桃体は感情(特に恐怖や不安)の処理、情動記憶の形成に重要な役割を果たす。短期記憶(ワーキングメモリ)は前頭前野が主に関与し、海馬は新しいエピソード記憶の形成に関わる。正しくは:扁桃体 — 感情(特に恐怖)の処理選びやすい理由:扁桃体も記憶に関連する構造として知られているため、短期記憶との関連があるように思える。しかし、扁桃体は感情を伴う記憶形成(情動記憶)に特に重要である。混同注意:扁桃体の機能(情動記憶)と海馬の機能(エピソード記憶形成)、前頭前野の機能(短期記憶/ワーキングメモリ)が混同されている。
国試ポイント
大脳辺縁系の主要な構成要素(海馬、扁桃体、帯状回、視床下部など)と、それぞれの主な機能(記憶、情動、自律神経調節、学習など)の正確な組み合わせを問う問題形式である。特に、それぞれの部位が担当する機能の具体的な内容を理解しているかどうかが重要となる。
混同注意
大脳辺縁系を構成する各部位の機能は密接に関連しており、特に記憶や感情に関わる部位は混同されやすい(例: 海馬と扁桃体)。また、自律神経系の中枢である視床下部と、高次脳機能に関わる他の辺縁系構造の役割を区別することが重要。
次に同じ論点が出たら
次に出題される場合、大脳辺縁系の特定の損傷部位における症状(例: 海馬損傷による記憶障害、扁桃体損傷による情動反応の変化)や、より詳細な機能(例: 帯状回の特定のサブ領域の機能)が問われる可能性がある。また、辺縁系と他の脳領域(例: 前頭前野、基底核)との連携についても注意が必要。
関連知識
大脳辺縁系は「情動の脳」とも呼ばれ、本能行動、情動、記憶、学習に深く関与する。海馬はエピソード記憶、扁桃体は情動記憶、帯状回は意欲や学習、視床下部は自律神経・内分泌・摂食・性行動など、生命維持に必須の機能を統合する。これらの部位間のネットワーク理解が重要。