脳血管とその還流域の組合せで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
後大脳動脈は、中脳や間脳(視床を含む)、側頭葉内側面、後頭葉に血液を供給します。特に視床は後大脳動脈の穿通枝によって栄養される重要な領域です。
選択肢ごとの解説
- 1. 黒質は中脳に位置し、主に後大脳動脈の穿通枝や脳底動脈の枝から血液供給を受けます。前大脳動脈は主に大脳半球の内側面や上縁、前頭葉の前面などを栄養します。正しくは:黒質は後大脳動脈や脳底動脈の枝から血液供給を受ける。選びやすい理由:脳の深い部分にあるため、特定の血管が栄養しているという知識が曖昧だと選びやすい。混同注意:脳の各部位と主要な栄養血管の対応が混乱していると誤選択しやすい。
- 2. 海馬は主に後大脳動脈の枝(特に海馬傍動脈)によって血液供給を受けます。中大脳動脈は主に大脳半球の外側面、側頭葉、頭頂葉、前頭葉の外側部などを栄養します。正しくは:海馬は主に後大脳動脈の枝から血液供給を受ける。選びやすい理由:中大脳動脈が大脳の広範囲を栄養するため、海馬も含まれると誤解しやすい。混同注意:側頭葉の内側部にある海馬の栄養血管が、外側を栄養する中大脳動脈ではなく後大脳動脈である点を混同しやすい。
- 3. 正解。後大脳動脈は、その穿通枝を通じて視床の大部分(後部、下部、内側部)に血液を供給します。特に視床穿通枝や視床膝状体動脈などが視床を栄養します。
- 4. Broca野(ブローカ野)は前頭葉に位置し、主に中大脳動脈の枝(特に前頭弁蓋枝)によって血液供給を受けます。脳底動脈は脳幹や小脳、後大脳動脈に分岐して後頭葉や側頭葉の一部、視床などを栄養します。正しくは:Broca野は主に中大脳動脈の枝から血液供給を受ける。選びやすい理由:脳底動脈が脳の多くの部分に血液を供給するイメージから、大脳の特定の機能領域も栄養すると錯覚しやすい。混同注意:脳底動脈が支配する部位(脳幹、小脳、後大脳動脈の支配域)と、中大脳動脈が支配するBroca野との区別が曖昧だと誤りやすい。
- 5. 中心前回は前頭葉に位置し、主に前大脳動脈(上部の内側面)と中大脳動脈(外側面)の枝によって血液供給を受けます。椎骨動脈は脳底動脈を形成し、主に脳幹、小脳、後頭葉の一部に血液を供給します。正しくは:中心前回は主に前大脳動脈と中大脳動脈の枝から血液供給を受ける。選びやすい理由:椎骨動脈が脳への主要な流入路の一つであるため、広範な領域を栄養すると誤解しやすい。混同注意:椎骨動脈系の支配域(脳幹、小脳、後頭葉)と、頸動脈系の支配域(中心前回を含む大脳半球)を混同しやすい。
国試ポイント
本問題は、脳血管解剖における主要な動脈とその還流域(栄養領域)を正確に理解しているかを問うものです。特に、大脳動脈(前大脳動脈、中大脳動脈、後大脳動脈)の基本的な還流域と、脳の深部構造(視床、黒質、海馬など)の栄養血管の知識が重要となります。機能局在と血管支配の関連も意識させる出題形式です。
混同注意
脳の血管支配は複雑であり、特に穿通枝の領域は細かいですが、主要な大動脈の主な支配領域と、特定の重要部位(視床、Broca野、海馬など)の支配動脈は区別して覚える必要があります。例えば、中大脳動脈が大脳の広範囲を支配するため、全ての皮質部位を中大脳動脈が栄養すると誤解しやすい点や、脳底動脈や椎骨動脈系の支配領域が大脳半球ではなく脳幹・小脳が主である点を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題される場合、大脳の主要機能局在(例:運動野、感覚野、言語野、視覚野)とそれらを栄養する主要動脈の組み合わせ、または特定の脳深部構造(例:基底核、視床下部、脳幹の各核)とその栄養動脈の組み合わせが問われる可能性が高いです。また、血管閉塞時の症状との関連で出題されることも考えられます。
関連知識
前大脳動脈:大脳半球の内側面、上縁、前頭葉前面。中大脳動脈:大脳半球の外側面、側頭葉、頭頂葉、前頭葉の外側部。後大脳動脈:後頭葉、側頭葉の内側下方、視床、中脳。脳底動脈:脳幹、小脳、後大脳動脈に分岐。椎骨動脈:脳底動脈を形成し、脳幹、小脳を主に栄養。Broca野は中大脳動脈、Wernicke野は中大脳動脈、一次運動野・体性感覚野は前大脳動脈と中大脳動脈、一次視覚野は後大脳動脈。脳の深部構造(例:基底核、視床)は穿通枝により栄養されることが多い。