遠心性収縮が生じるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・5番
解説
遠心性収縮とは、筋肉が伸長しながら力を発揮し、動きを制御する収縮様式です。選択肢2の「懸垂運動で身体をゆっくりと下ろす際の上腕二頭筋」は、重力によって肘関節が伸展するのを上腕二頭筋が抵抗しながらゆっくりと下ろすため、筋肉は伸長しながら活動しており遠心性収縮です。同様に、選択肢5の「しゃがみ込み動作を行う際のヒラメ筋」も、足関節が背屈するのを制御しながら身体が沈み込むのをゆっくりと行うため、筋肉は伸長しながら活動しており遠心性収縮です。その他の選択肢は、重力に抗して関節を動かす際に筋肉が短縮する求心性収縮に該当します。
選択肢ごとの解説
- 1. 腕を挙上する際は、重力に逆らって腕を動かすため、三角筋前部線維は短縮性収縮(求心性収縮)を行います。正しくは:短縮性収縮(求心性収縮)が生じます。選びやすい理由:筋肉が収縮している感覚があるため、収縮全般を指す「収縮」と混同しやすい。混同注意:求心性収縮と遠心性収縮の区別。
- 2. 正解。懸垂で体を下ろす際、上腕二頭筋は重力に逆らいながら伸長することで、ゆっくりと動きをコントロールしています。これは遠心性収縮の典型例です。
- 3. 腕立て伏せで肘を伸ばす際、上腕三頭筋は重力に逆らって短縮し、関節を伸展させます。これは短縮性収縮(求心性収縮)です。正しくは:短縮性収縮(求心性収縮)が生じます。選びやすい理由:筋肉が力を発揮している状態と捉えられがちですが、動きの方向と筋肉の長さの変化を考慮する必要があります。混同注意:求心性収縮と遠心性収縮の区別。
- 4. 椅子から立ち上がる際、大腿四頭筋は膝関節を伸展させるために短縮し、重力に逆らって身体を持ち上げます。これは短縮性収縮(求心性収縮)です。正しくは:短縮性収縮(求心性収縮)が生じます。選びやすい理由:「収縮」という言葉から、力を出している状態を指すと考えやすい。混同注意:求心性収縮と遠心性収縮の区別。
- 5. 正解。しゃがみ込む際、ヒラメ筋は足関節の背屈を許容しつつ、身体が勢いよく沈み込まないように重力に逆らって伸長しながら活動します。これは遠心性収縮です。
国試ポイント
筋収縮様式(求心性、遠心性、等尺性)の理解と、具体的な動作における筋活動の識別能力が問われています。特に、重力との関係性や、動きを「加速させる」か「減速・制御する」かという視点が重要です。
混同注意
求心性収縮(短縮性収縮)と遠心性収縮(伸長性収縮)の区別が最も混同しやすい点です。等尺性収縮との違いも理解しておく必要があります。また、主動筋と拮抗筋の役割が逆転する状況も注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、まず各動作が「重力に抗して体を持ち上げる/加速させる」動きなのか、「重力に逆らって体をゆっくり下ろす/減速・制御する」動きなのかを判断します。次に、その動作の主動筋が短縮しているか伸長しているかを考え、求心性収縮か遠心性収縮かを判断します。また、関節運動がない状態での筋活動(例:重い物を持ち上げる瞬間の腹筋群)は等尺性収縮として区別できるようにします。
関連知識
筋収縮様式(等張性収縮、等尺性収縮、等速性収縮)、伸張反射、筋の長さ-張力関係、速度-張力関係、活動電位と筋収縮のメカニズム。