Parkinson病でみられるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第60回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
パーキンソン病の主要な症状には、静止時振戦、筋固縮、無動(動作緩慢)、そして姿勢反射障害の四つ(四大症状)があります。姿勢反射障害は、体の重心の移動に対する自動的な調整機能が損なわれることで、バランスを崩しやすくなり、転倒リスクが著しく上昇します。これは病気の進行とともに顕著になる症状の一つです。
選択肢ごとの解説
- 1. パーキンソン病で見られるのは「筋固縮」であり、伸張速度に依存しない筋緊張の亢進です。痙縮は上位運動ニューロン障害に見られる、伸張速度に依存する筋緊張の亢進であるため、パーキンソン病の症状とは異なります。正しくは:筋固縮選びやすい理由:パーキンソン病は筋の硬さが特徴的であるため、一見筋緊張亢進の代表である痙縮と混同しやすいですが、両者は病態機序や性状が異なります。混同注意:筋固縮と痙縮
- 2. 分回し歩行は、通常、脳卒中による片麻痺など、下肢の伸展・内転・内旋位をとり、股関節を軸に円を描くように脚を振り回して歩く特徴的な歩行様式です。パーキンソン病では、小刻み歩行、すくみ足、突進現象などが特徴的な歩行障害として見られます。正しくは:小刻み歩行選びやすい理由:歩行障害という点でパーキンソン病と関連するが、具体的な歩行様式が異なるため注意が必要です。混同注意:パーキンソン病の小刻み歩行やすくみ足と、片麻痺の分回し歩行
- 3. 正解。姿勢反射障害は、パーキンソン病の主要な症状の一つであり、立位や歩行時にバランスを崩しやすく、転倒のリスクを高めます。これは、姿勢の維持や変化に対する反射的な反応が障害されることで起こります。
- 4. 膝蓋腱反射の亢進は、上位運動ニューロン障害(錐体路障害)でみられる症状です。パーキンソン病は主に錐体外路系(基底核)の障害であり、腱反射は通常、正常であるか、病状によってはわずかに減弱することがあっても、亢進することはありません。正しくは:膝蓋腱反射正常または軽度減弱選びやすい理由:筋固縮があるため、反射も亢進すると誤解しやすいですが、錐体外路系疾患では腱反射は亢進しません。混同注意:錐体路症状と錐体外路症状
- 5. Babinski反射陽性は、錐体路障害(上位運動ニューロン障害)の代表的な病的反射です。パーキンソン病は錐体外路系疾患であるため、通常はBabinski反射は陰性であり、陽性を示すことはありません。正しくは:Babinski反射陰性選びやすい理由:パーキンソン病も神経系の疾患であるため、病的反射が見られると誤解しやすいですが、Babinski反射は錐体路の障害特有の所見です。混同注意:錐体路症状と錐体外路症状
国試ポイント
パーキンソン病の診断基準となる主要症状(四大症状)について問われる問題です。特に、錐体路症状(痙縮、腱反射亢進、病的反射など)との鑑別が重要であり、錐体外路系疾患の病態理解が求められます。
混同注意
パーキンソン病の「筋固縮」と、錐体路障害に見られる「痙縮」は、ともに筋緊張亢進ですが、その性質(速度依存性か否か、伸張反射の亢進か基底核機能不全か)が異なります。また、錐体外路症状と錐体路症状の鑑別も頻出です。パーキンソン病は錐体外路症状が主体であり、錐体路症状は通常見られません。
次に同じ論点が出たら
他の錐体外路系疾患(例:進行性核上性麻痺、多系統萎縮症)や、錐体路系疾患(例:脳卒中、脊髄損傷)との症状の鑑別点を確認します。特に、姿勢反射障害はパーキンソン病の診断基準にも含まれる重要な症状であることを再確認します。
関連知識
パーキンソン病の四大症状:静止時振戦、筋固縮(鉛管現象、歯車現象)、無動(動作緩慢)、姿勢反射障害。その他、小刻み歩行、すくみ足、突進現象、仮面様顔貌、構音障害、嚥下障害、自律神経症状(便秘、起立性低血圧)、認知機能障害、嗅覚障害、睡眠障害など多様な症状が見られます。治療にはL-DOPA製剤が用いられます。