肩甲骨の下方回旋に作用する筋はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
小胸筋は烏口突起から第3~5肋骨に付着しており、肩甲骨を下方回旋させるとともに、下制および前傾させる作用があります。これは、主に僧帽筋や前鋸筋などの上方回旋筋と拮抗する働きを持っています。
選択肢ごとの解説
- 1. 前鋸筋は肩甲骨の上方回旋に主要な役割を果たします。正しくは:前鋸筋は肩甲骨の上方回旋に作用します。選びやすい理由:肩甲骨の動きに関わる重要な筋肉であるため、関連が深いと錯覚しやすいです。混同注意:肩甲骨の上方回旋に関わる僧帽筋上部線維や肩甲挙筋と混同しやすいですが、作用は異なります。
- 2. 正解。小胸筋は肩甲骨の烏口突起に付着しており、収縮することで肩甲骨を下方回旋させます。また、肩甲骨の引き下げ(下制)や前方への傾斜(前傾)にも作用します。
- 3. 小円筋は肩関節の外旋に作用するローテーターカフの一つで、肩甲骨の動き(特に回旋)には直接関与しません。正しくは:小円筋は肩関節の外旋に作用します。選びやすい理由:肩甲骨周辺の筋肉であるため、肩甲骨の運動と関連があると誤解しやすいです。混同注意:大円筋(肩関節の内旋、内転、伸展)や棘下筋(肩関節の外旋)など、肩関節の動きに関わる他のローテーターカフ筋と混同しやすいです。
- 4. 棘下筋は肩関節の外旋に作用するローテーターカフの一つで、肩甲骨自体の回旋運動には関与しません。正しくは:棘下筋は肩関節の外旋に作用します。選びやすい理由:小円筋と同様に、肩甲骨周辺の筋肉であるため、肩甲骨の運動と関連があると誤解しやすいです。混同注意:小円筋と同様に、肩関節の動きに関わる他のローテーターカフ筋と混同しやすいです。
- 5. 鎖骨下筋は鎖骨を下方へ引き下げる作用がありますが、肩甲骨の回旋には直接作用しません。正しくは:鎖骨下筋は鎖骨を下制させます。選びやすい理由:鎖骨は肩甲骨と関節を構成しているため、関連があるように感じられます。混同注意:鎖骨を動かす胸鎖乳突筋や胸骨甲状筋など、頸部や胸部の他の筋肉と混同しやすいです。
国試ポイント
肩甲骨の各運動(上方回旋、下方回旋、挙上、下制、外転、内転、前傾、後傾)に作用する主要な筋を正確に理解しているかが問われています。特に、複数の筋が関与する運動については、主動作筋と補助筋の区別も重要です。
混同注意
肩甲骨の動きに関わる筋は多数あり、それぞれの作用を混同しやすいです。特に、上方回旋(前鋸筋、僧帽筋上部・中部線維)と下方回旋(小胸筋、菱形筋、肩甲挙筋、僧帽筋下部線維)は拮抗関係にあるため、しっかりと区別する必要があります。
次に同じ論点が出たら
この論点が次に問われた場合、肩甲骨の他の運動(挙上、下制、外転、内転など)に作用する筋、または肩関節の動きに作用する筋と肩甲骨の動きに作用する筋を区別して問われる可能性があります。また、複合的な運動(例:上肢挙上時の肩甲骨の動き)における各筋の役割を問う問題も想定されます。
関連知識
肩甲骨の運動には、上肢の運動範囲を広げる役割があります。肩関節の機能解剖学を理解する上で、肩甲胸郭関節の動きとそれに作用する筋群の知識は不可欠です。ローテーターカフの筋群(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)は肩関節の安定性と回旋に重要であり、肩甲骨の動きとは直接関係ありません。