正常な膝関節を屈曲したときの最終域感で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
正常な膝関節を最大限に屈曲させた場合、大腿部後面と下腿部後面(特に腓腹部)の軟らかい組織同士が互いに接し、圧迫されることで、弾力のある抵抗感が生じます。これを「軟部組織性」の最終域感と呼びます。これは正常な関節の可動域で観察される特徴的な最終域感の一つです。
選択肢ごとの解説
- 1. 「虚性」は最終域感の分類には該当しません。これは何らかの異常な可動性や抵抗の欠如を示す概念であり、正常な最終域感を示す言葉ではありません。正しくは:この選択肢は最終域感の分類として不適切です。選びやすい理由:「虚性」という言葉自体が関節の異常と関連付けられるため、選択肢として提示された際に、不慣れな受験者が混乱する可能性があります。混同注意:最終域感の分類(骨性、靱帯性、筋性、軟部組織性など)と、関節の不安定性や異常な可動性を示す言葉(虚性、弾性、空虚性など)とを混同するかもしれません。
- 2. 「筋性」は最終域感の分類の一つであり、筋肉が伸張されたり、収縮したりすることによって生じる抵抗感を指します。しかし、正常な膝関節の最終屈曲域においては、主に軟部組織による抵抗感が支配的です。正しくは:膝関節の最終屈曲域の正常な最終域感は軟部組織性です。選びやすい理由:膝の屈曲には大腿四頭筋の伸張が伴うため、「筋性」と感じる人もいるかもしれませんが、それは主要な要因ではありません。混同注意:股関節の屈曲制限や足関節の背屈制限など、他の関節では筋性が主要な最終域感となる場合があり、それを膝関節屈曲と混同する可能性があります。
- 3. 「骨性」は、骨と骨が衝突することによって生じる硬い抵抗感を指します。例えば、肘関節の伸展最終域などで認められます。正常な膝関節の屈曲最終域では、骨同士が直接衝突する前に、他の組織による抵抗が生じます。正しくは:正常な膝関節の屈曲最終域の最終域感は軟部組織性です。選びやすい理由:非常に硬い抵抗感を想像し、骨性であると考えてしまう人もいるかもしれません。混同注意:肘関節の伸展や前腕の回外などの骨性が正常な最終域感となる関節と、膝関節屈曲を混同する可能性があります。
- 4. 「靱帯性」は、靱帯が伸張されることによって生じる弾力のある抵抗感を指します。膝関節の伸展最終域などでは靱帯性が主要な最終域感となることがありますが、正常な膝関節の屈曲最終域では、靱帯の伸張よりも軟部組織による抵抗感が先に生じ、支配的です。正しくは:正常な膝関節の最終屈曲域の最終域感は軟部組織性です。選びやすい理由:膝関節には多くの重要な靱帯があるため、最終域感と結びつけやすいと考えられます。混同注意:膝関節の伸展最終域(靱帯性)と屈曲最終域を混同する可能性があります。また、膝関節の不安定性や疼痛評価における靱帯の触診と最終域感を混同するかもしれません。
- 5. 正解。正常な膝関節の屈曲最終域では、大腿後面と下腿後面(特に腓腹部)の軟部組織(脂肪、皮膚、筋肉など)が接触し圧迫されることによって、クッションのような弾力性のある抵抗感が生じます。これが「軟部組織性」の最終域感です。正しくは:この表現が正しいです。選びやすい理由:他の選択肢も関節の抵抗に関連する用語であり、区別が難しいと感じる可能性があります。混同注意:筋性や靱帯性と軟部組織性との区別が曖昧に感じられることがあります。特に、軟部組織の中には筋肉も含まれるため、筋性と混同しやすいです。
国試ポイント
最終域感の分類とその特徴、および各主要関節の正常な最終域感が問われています。骨性、靱帯性、筋性、軟部組織性、空虚性、弾性、硬性といった各最終域感の定義と、それぞれの代表的な例を正確に理解しておくことが重要です。
混同注意
筋性、靱帯性との区別が混同されやすいです。膝関節の最終屈曲では、大腿四頭筋の伸張も起こりますが、軟部組織の圧迫の方が支配的な最終域感となります。また、靱帯の関与もゼロではありませんが、屈曲最終域の主要な制限因子は軟部組織です。他の関節の最終域感(例:肘伸展の骨性、膝伸展の靱帯性)と混同しないよう注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
この問題で最終域感の種類を問うていることを把握し、各選択肢が示す最終域感の意味を正確に理解しているかを確認します。特に、正常な膝関節屈曲における主要な制限因子が軟部組織の接触であることを認識しているかがポイントです。
関連知識
最終域感の種類:<br>1. 骨性:骨同士の衝突による硬い抵抗(例:肘伸展)<br>2. 靱帯性:靱帯の伸張による弾性のある抵抗(例:膝伸展、足関節底屈)<br>3. 筋性:筋肉の伸張による弾性のある抵抗(例:股関節屈曲、足関節背屈)<br>4. 軟部組織性:軟部組織の圧迫によるクッションのような抵抗(例:膝屈曲、股関節屈曲)<br>異常な最終域感:<br>5. 空虚性:可動域最終で抵抗がなく、患者が痛みを訴える<br>6. 弾性:異常な弾力があり、正常な最終域感と異なる<br>7. 硬性:骨性とは異なる異常な硬さ、早期に生じる